ティアワンの意味は

2014年2月12日更新

ティアワンやティア1とは正確にはTier1と書きますが、メーカーに直接納入する一次サプライヤーのことを意味します。トヨタやホンダ、日産をはじめとする自動車メーカーに部品や製品を納入するメーカーの例でたとえると、自社で製造・開発したものを直接こうしたメーカーへ納入する立場にある会社をティアワンと呼びます。一次請負とも言われます。

自動車業界に限らず、航空機業界など下流から上流までのサプライチェーンが長かったり、巨大な産業について特に使われる表現です。Tier1(ティアワン)があるということは、Tier2(ティアツー)も当然あります。ティア2の企業は、ティア1の企業へ自社製品を供給する立場にあります。工業製品の多くはこうして部品が上流へ遡っていく巨大なサプライチェーンの上に成り立っています。

自動車の例で言えば、ティア1同士での取引も活発に行われており、お互いに自動車メーカーへ直接納入するサプライヤーであっても、ある部品については片方の部品に組み込まれる形をとるため、そちらが完成品として仕上げて自動車メーカーへ納入する、というケースです。こうした場合であっても、それぞれのティア1の技術担当者が自動車メーカーのエンジニアとやり取りする、ということもそう珍しくはありません。

企業の立場として、ティア1ともなると納入業界について、つまり顧客の業界についての情報にもかなり精通していることが通例で、大きなティアワンともなると顧客の競合へも納入しており、その業界での各社の生産量や動きが分かってしまうというケースもあります。

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