内々示と内示の違いと意味

2021年11月27日更新

自動車部品の分野で内示や内々示といった場合、客先・納入先から発注予定の可能性のある数量のことを意味しており、その違いは指定している月や範囲となります。つまり内々示は内示の次で示されている月日の内示のことになります。

通常、内示は月次で、当月、次月、次々月の3か月分が毎月更新され、自動車メーカーから各サプライヤーに情報提供されます。この直近の月次内示のうち、今出ている内示の次の月を内々示と呼ぶ場合と、3カ月目を内々示と呼ぶ場合があります。分かりにくいので以下に例示します。

例えば今が1月終わり頃とします。この内示更新時期(月末から6日稼働日前や5日稼働日前、4日・3日稼働日前等)に入ってくる内示を次のように呼ぶことがあります。

月間で確定オーダーが入る場合
基準月 確定・内示の種類
2月 確定
3月 内示
4月 内々示
三発内示が提示される場合
基準月 確定・内示の種類
2月 当月内示
3月 翌月内示
4月 翌々月内示
   
翌々月までの内示が提示される場合
基準月 確定・内示の種類
2月 内示
3月 内々示
 

どの時点の内示なのかというのは生産計画の立案や原材料の発注準備の面からは死活問題となるため、何月の内示か分かるように運用されていることが大半です。原材料に近いものほど準備には時間がかかりますのでリードタイムは3カ月を超えるものもあります。こうした場合、内々示では足りない為、さらにその先となる4カ月目の内示を移動平均といった計算で割り出したり、長期予測を使ったりして準備に備えることになります。

こうした3カ月単位での内示情報を三発内示ともいい、次月や翌月のことを「来月」といわないのは、基準となる月が今月とは限らないためです。来月と言ってしまえば、今この時点を基準として、その次の月しか指定できません。実務ではこの来月を示すことも多々ありますが、次月という用語と使えば、慣用的に今月を起点にしていることが文脈上伝われば、来月のことを意味することもでき、大は小を兼ねるではありませんが、頻繁に使われるようになったと推測しています。

時間に追われる実務の現場では短く素早く正確に伝える必要があることから、往々にして、類似する用語で意味が大きく違わないものは統合されてひとつの言葉になっていく印象がします。

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