視える化、見える化、みえる化の違いとは|可視化とも違うみえる化

2019年8月25日更新

トヨタの自工程完結で使われる「みえる化」ですが、これが平仮名で表記される理由は、視える化とは、注意してみることを意味し、見える化は眺めるようにただ見ることを意味するためです。

同社における「みえる化」は、見える化でも、視える化でもカバーしきれない事象のすべてを「あきらかにする」という意味が込められています。具体的にはアウトプットを出すために、実施すべきことの順番をあきらかにし、問題の所在や原因をつきとめ、業務の非効率部分や手戻り箇所含めて洗い出す、というところまで含みます。

したがって、可視化とも意味が違います。トヨタの改善では独自の意味を込めるため、多くの造語が使われますが、字面通りに解釈すると内容を取り違えてしまう用語が多い為、注意を要します。

みえる化が実現することで種々の改善につなげていくことが可能になりますが、具体的には、ベテランの暗黙知を明示化することができます。また、ノウハウや知見の伝承につなげることができるため、属人化を防止し、特定の人しかできない業務をなくすことができます。これと連動して、業務の標準化につなげていくことができます。前工程や後工程にある他部門との連携強化ができ、自部門の一部だけが改善されていく部分最適ではなく、一連の上流から加硫への業務の流れが全体最適することができます。

みえる化を用いた改善はプロセス改善と呼ばれますが、仕事の品質を高めるツールとして活用されています。

みえる化を行っても意味がないとの指摘が一部ありますが、これは入り口である業務フロー図を作っておしまい、という形で活動が終了しているような場合です。業務をみえる化したあと、改善活動を行っていくことが前提としてあるため、あまりみえる化に意味がないという議論となることは稀ですが、しいていえば、本格的なみえる化を行う前に、目的・目標に適っていない業務自体を改廃してしまうという考え方がある為、みえる化するまでもなく業務改善が進んでしまうこともあります。ただ、みえる化は、その業務をやめたり、へらしたり、変えたりした場合に影響が本当にないのか、どのように効率化できるかを見定める道具でもあるため、改善テーマによっては外すことのできない手法ともなります。

もちろん、改善すべきテーマ内容によっては、みえる化の手法が適していないものもありますので、使い分けていくことが重要です。

視える化、見える化、みえる化、可視化の違い
視える化   注意してみること
見える化   眺めるようにただ見ること
みえる化   見える化でも、視える化でもカバーしきれない手順の前工程・後工程含め、実施することとその順番を関係者とのつながりを踏まえて問題の所在・要因を「あきらかにする」
可視化    (わかりにくいものを)目で見ることができるようにする

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