ビジネスにおけるLTBの意味と略語

2021年10月3日更新

ビジネスにおいて目にするLTBとは、Last Time Buyの略でいわゆる打ち切りに伴う最終発注のことを意味しています。単にLTB自体を打ち切りの意味で使う場合もあります。日本語では永年発注という言い方もあります。

あらゆる製品にはモデルライフをはじめとするライフサイクルがあり、工場で量産ベースで生産していたものもいつかは生産終了となり、市場から姿を消して新しい製品やモデルに入れ替わっていきます。

自動車部品の場合、こうした量産での生産を打ち切ったあとに補用品、いわゆるサービスパーツとして修理や交換用の部品供給が十数年にわたって続き、それも終わるといよいよ製造廃止ということになります。これをもってその製品の供給がいっさいなくなるため、このときに納入先や顧客から発注される最後のオーダーのことを、LTB(Last Time Buy)と呼びます。主としてアメリカで使われる言い回しです。

LTBでの納期と数量が明確になると、サプライヤーとなる製造側は金型や設備などその製品供給に必要ないっさいのものを処分することが可能になるため、特に販売数が少ない状態で長期間、サービスパーツを供給していたような場合は願ったりかなったりの状況になります。量産で大量に販売されていたものは設備や治工具などの費用は当然回収ができていますし、利益も確保できていることがほとんどですが、補用品いわゆるサービスパーツになると生産数が極端に少なくなりますので、多くの製品では採算が合わず、専用設備を使っていようものならそれだけのために工場の貴重なスペースを占有されることにもなります。

したがって、サプライヤーサイドは量産が終わったのちはなるべく早くLTBになることがコスト面では最も有難いということになります。量産が終わると単価の値上げが認めてもらえるケースもありますが、ほとんどのケースはそれでも採算が合わず、はやく生産を終了して新しい製品の量産オーダーをとってきたほうが事業利益を確保できるということになります。

ただし、LTBでのオーダーが例えば10個でよい、となっても材料や部品の最小ロットが10000個から、というようなこともありますので、こうした場合は納入先との折衝が必要となります。客先との取引関係や方針次第とはなりますが、最後に最小ロット分を引き取り、というケースもあります。

一方、量産オーダーとして大量に販売を見込んでいたにもかかわらず販売不振で途中で打ち切り、LTBとなってしまう製品分野もあります。この場合は、投資した分の回収もできず、いわゆる損切のような形で終わってしまう場合もあります。

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