欠量完納、欠品完納、欠完(ケツカン)の意味

2016年5月16日更新

欠量完納とは、本来注文されていた数量に満たない数量の納品しかできなくとも、すべて納品、つまり完納した扱いとして処理する方法のことです。生産管理の現場では主として「けつかん」と呼ばれるため、最初は何のことかよくわからないと思います。

通常、自動車部品は客先から指示された数量を、決められた日に客先の指定された工場まで配送します。月にまとめて、ということは稀で、ほとんどのメーカーに対しては1日1回〜数回といった頻度での納入を行います。

量産納入の場合で欠量完納が行われるのは、打ち切りなどで数量調整を行う場合です。たとえば、ある製品が客先の指示で打ち切りとなり(今後、量産品としては流動しない)、材料や部品が余ってしまったため、残りの製作品の納入数量を調整するような場合、客先からの本来の注文は100個として入っていたものの、実際に残った材料で作ることができた個数が89個であったような場合、無理矢理100個の製造を達成しようとすると材料や部品の発注ロットもあり、さらに多くの数量ができてしまうことになります。

こうしたときに、100個でオーダーが入っているものの、89個を納品したら「完納」、つまり納品が完了したという扱いにしてもらうことを「欠量完納」や「欠完」といったりします。

客先からの受注は通常、各カーメーカーが持っているシステムを通じて行われるため、あまり細かい融通は利きません。あとからこうした特殊な処理を行い、帳尻をあわせていく必要があります。

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