自動車業界で言うEOPとは何か|EOPの意味

2018年11月5日更新

EOPは車の業界で使われる場合、End of productionの意味で使われ、その意味するところは量産での生産終了です。自動車の量産の開始を意味するSOP、つまりStart of productionと対を成す表現方法です。SOPは別名、L/O(Line off、ラインオフ)とも言います。

自動車は量産で製造される2年以上前から準備が開始されていますが、各段階に控えているイベントと呼ばれる試作や品質確認をクリアして次の段階へ進んでいき、最終的には量産開始であるSOPを目指すことになります。このため、SOPから逆算し、イベントの計画が組まれ、部品を供給するサプライヤー側でも準備を進めていきます。

一旦、SOPとなったものは数年間、モデルチェンジ等で量産が打ち切られるまでは生産継続されます。この量産での生産が終わることを示すのが、EOPとなります。自動車の場合、10数年から20数年前後は、量産での生産が終わった後も、補給品や補用品と呼ばれる修理用や交換用のサービスパーツとして各部品メーカーは、自動車メーカーに対して部品の供給義務が発生します。供給期間はメーカーや部位によりまちまちですが、こうしたことからEOPになったからといっても部品の供給が止まるわけではないというのが一般的な商習慣です。

ただ、生産の終了にも、もうひとつのパターンがあり、こちらは製造廃止、製廃(せいはい)、ディスコンと呼ばれることがありますが、これらは完全に供給が不要になるパターンです。

ディスコンのことをEOPと呼ぶこともあったり、あるいは、ディスコンのことを量産生産終了の意味であるEOPと同じ意味で使うこともあるため、紛らわしいのですが、本来のディスコン、discontinuation of productionまたはdiscontinued production、あるいは単にdiscontinuedと表現される生産終了は「製造廃止」として、量産終了とは区別して扱われています。

補給品として継続供給の必要があるのかないのかという点は、部品メーカーにとっては大きな違いです。

ディスコンになった場合は、今後サービスパーツとしても供給する必要がないため、客先の承認を得て金型や設備についても廃却対象となります。金型や設備は大量生産を前提としたものではありますが、一旦EOPになったあと少ない数量でのオーダーがあると完全に廃却させることができず(毎月少量のオーダーがあるものもあれば、数年、数十年に一度のオーダーとなるものもあります)、保管や管理にコストがかかってしまいます。自動車メーカーごとにサービスパーツとなった部品は単価が上がるのが通例ですが、頻度や数量によって、まったくペイしない場合もあります。

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