ディスコンの意味|自動車、バイク、部品で使われるディスコンとは

2020年5月5日更新

ディスコンとは、discontinuedを日本語で省略した業界用語の一種ですが、自動車やバイクの分野で使われる場合、英語でいうところの「discontinued models」「discontinued vehicle models」のように、モデル(車種)の製造廃止を意味しています。

この用語で気を付けるべきは、使う人の業界や会社、あるいは職種によっても意味のとらえ方が異なることがある点です。例えば自動車分野でのディスコンといった場合、製造廃止というのが一般的な解釈ですが、「量産が打ち切りとなること」と、「製造廃止」はイコールではありません。

自動車部品の例でいえば、月に数千、数万台分以上の部品を供給する量産での供給が車両のモデルチェンジなどで終わった後も、補給品や補用品と呼ばれるサービスパーツとして部品の供給義務が数十年残ります。

したがって、部品メーカーではコスト増となったとしても金型や設備を廃却せずにいつでも生産できる状態で持っておく必要があります。

一方、この補給品としての供給が終了する場合、製造廃止や製廃といって、量産打ち切りとは区別して扱うカーメーカーもあります。製造廃止になると、部品の供給は金輪際行わなくてよい、ということになりますので保管費用等が掛かっていた金型や設備も廃却することができるようになります。もっとも客先資産となっている場合は、自社判断で勝手に廃却できませんので、個別に客先へ廃却申請等を行い承認を得る必要があります。

以上からディスコンという用語が使われている場合、単に量産での生産終了を意味しているのか、完全な製造廃止を意味しているのか吟味する必要があります。製造廃止となっている場合は、正規品を一から生産してもらうという方法での入手は困難です。パーツ・部品関係の製造廃止の場合、在庫や中古市場での入手を検討するほかないということになります。

部品メーカーの立場から見た場合、稀に供給年限を過ぎた部品を何とか作ってほしいという依頼が来ることもあり、この場合、試作型などを一から作って対応する場合もあります。これはカーメーカーやバイクメーカーとの契約で、供給年限に対して曖昧になっているケースや、取引に際して間に別の会社が入っており、その会社との間では供給年限(いつまで供給する必要があるか)を結んでいないことにも起因します。

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