SKH10(高速度工具鋼鋼材)の用途、成分、機械的性質の一覧

2010年9月24日更新

SKH10はタングステン系高速度工具鋼鋼材のなかで、特に加工の難しい高難削材切削用に使われる高速度鋼です。炭素量が、ハイス鋼のなかでも最も多く、バナジウムの含有量も多い点に特徴があります。バナジウムは他の元素と組み合わせて用いることで、鋼材に強力な硬度を持たせることができます。ただこうした高V系は、Vハイスと呼ばれて重宝される反面、耐摩耗性があるだけにこの材料自体の加工性は悪く、研削や切削加工するのが難しいとされます。

SKH10(ハイス鋼)の成分
材料記号 化学成分
C Si Mn P S Cr Mo W V Co
SKH10 1.45
〜1.60
0.45以下 0.40以下 0.030以下 0.030以下 3.80
〜4.50
- 11.50
〜13.50
4.20
〜5.20
4.20
〜5.20
材料記号 焼きなまし温度
焼きなまし硬度
HBW
SKH10 820〜900徐冷 285以下
材料記号 熱処理温度
焼入焼戻し硬度
HRC
焼入れ 焼戻し
SKH10 1230油冷 560空冷 64以上

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高速度工具鋼鋼材(SKH材)の一覧

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