MDC1B、AZ91B（マグネシウム合金ダイカスト）の成分、機械的性質、熱伝導率、比熱、硬度
MDC1B、もしくはAZ91Bは機械的特性に優れたダイカスト用のマグネシウム合金グレードの一つで、ダイカスト製法専用の合金となります。単に略してAZ91とも呼ばれます。AZ91BはASTMにおけるこの材料の記号ですが、記号が示す通りAZ系の合金である為、Mg-Al-Znの合金となります。
ISOでの名称は、MgAl9Zn1(B)となり、記号がそのまま成分比率を示しています。
MDC1B、AZ91Bの成分、組成
| マグネシウム合金鋳物 | 化学成分（％） | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Mg | Al | Zn | Mn | Si | Cu | Ni | Fe | その他 | |
| MDC1B、AZ91B | 残部 | 8.3から9.7 | 0.35から1.0 | 0.13から0.50 | 0.50以下 | 0.35以下 | 0.03以下 | 0.03以下 | 0.05以下 |
MDC1B、AZ91Bの機械的性質｜引張強さ、耐力、伸び、硬度
参考値として以下のパラメータが存在します。熱処理は、Ｆ、つまり鋳造したままの状態の場合の値です。
| マグネシウム合金ダイカストの種類 | 引張試験 | 硬度 ブリネル硬さ HBW |
||
|---|---|---|---|---|
| 引張強さ N/mm2 |
耐力 N/mm2 |
伸び ％ |
||
| MDC1B、AZ91B | 200から260（230） | 140から170（160） | 1から9（3） | 65から85 |
MDC1B、AZ91Bの熱伝導率、熱膨張係数、弾性係数、鍛造温度、比熱、比重、密度
ダイカスト製法によるマグネシウム合金であるMDC1B、AZ91Bの熱による影響や比重などを詳細に見ていくと以下の通りとなります。
| マグネシウム合金の種類 | MDC1B、AZ91B |
|---|---|
| 液相線温度（℃） | 595 |
| 固相線温度（℃） | 470 |
| 凝固温度範囲（℃） | 125 |
| 溶融潜熱（kJ/kg・K) | 373 |
| 比熱（kJ/kg・K）（室温） | 1.05 |
| 熱伝導率（W/m・K）（20℃、砂型） | 51.2 |
| 熱膨張係数（μm/m・K）（20℃〜100℃） | 26 |
| 比重、密度（g/cm3）（20℃） | 1.81 |
| 縦弾性係数（kN/mm2）（20℃） | 45 |
| 横弾性係数（kN/mm2）（20℃） | 17 |
| 鍛造温度（℃） | 625から700 |
「JIS H 5303 マグネシウム合金ダイカスト」に規定のある材料記号
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