エコセメント(普通エコセメントと速硬エコセメント)の成分、特徴について

2011年4月18日更新

都市ゴミ焼却灰や下水汚泥を主原料としたセメントで、製品1tにつき、乾燥した廃棄物ベースで500kg以上用いられます。塩素を含むため、鉄筋コンクリートには用いることができませんが、近年では脱塩素技術によって普通ポルトランドセメントに近い性質を持つのものも開発されています。規格では、以下の二種類のエコセメントについて定められています。

普通エコセメント

塩化物イオンが多く含まれているため、高強度コンクリートを用いた鉄筋コンクリートには使用できないという制約があります。普通ポルトランドセメントに似た性質を持つセメントです。規定では、製造過程で脱塩素化し、塩化物イオン量がセメント質量の0.1%以下のものと定められています。クリンカと石膏の合量が95以上100以下のものです。

速硬エコセメント

速硬性のあるエコセメントですが、塩化物イオンが普通エコセメントよりもさらに多いため、鉄筋コンクリートに使うことはできません。規定では、塩化物イオン量がセメント質量の0.5%以上1.5%以下のものと定められています。塩素成分をクリンカ鉱物として固定しています。クリンカ、石膏、硫酸ナトリウムの合量が質量%で100のものです。

なお、詳しくはエコセメントのJIS規格である「JIS R 5214」(2009)を参照ください。

下記の安定性については、パット法かルシャテリエ法のどちらかに適合すればよいことになっています。

エコセメント(普通エコセメントと速硬エコセメント)の成分、圧縮強さ、比表面積、特性
  普通エコセメント 速硬エコセメント
密度(g/cm3) - -
比表面積(cm2/g) 2500以上 3300以上
凝結 始発(h-m) 1-00以上 -
終結(h-m) 10-00以下 1-00以下
安定性 パット法
ルシャテリエ法(mm) 10以下 10以下
圧縮強さ(N/mm2) 1d - 15.0以上
3d 12.5以上 22.5以上
7d 22.5以上 25.0以上
28d 42.5以上 32.5以上
化学成分(%) 酸化マグネシウム(MgO) 5.0以下 5.0以下
三酸化硫黄(SO3) 4.5以下 10.0以下
強熱減量 5.0以下 3.0以下
全アルカリ 0.75以下 0.75以下
塩化物イオン 0.1以下 0.5以上1.5以下

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