フルートに使われる銀の純度と種類

2018年6月25日更新

フルートに使われる銀の種類

総銀製の純度は92.5%や95%が主流

フルートに使われる銀の種類は、銀合金のうち、Ag950やSV950と呼ばれる銀と銅の合金やスターリングシルバーと呼ばれるAg925が使われています。Ag950の銀合金は別名、五分落ち銀とも呼称されていますが、銀の純度は95%になり、残りの5%が銅となります。スターリングシルバーとなるAg925が使われている場合は、銀の純度は92.5%となり、残りの7.5%が銅となります。また、コインシルバーと呼ばれるAg900の品位となる銀合金が使われるモデルもあります。こちらは90%が銀、残りの10%が銅となります。

銀製のフルートはやわらかで深みのある音色で、透明感がある上、音にも変化がつけやすいと称されますが、空気そのものを振動させるフルートの場合、共振能力の優劣が音色に大きく影響します。銀製のものは軽くて薄い引き抜き管がその役割を果たすとされ、中世のころより銀製フルートには高い人気があり、歴史に残る名演奏家、音楽家たちにも愛されてきました。

フルートに使われる素材の特徴|金、銀、プラチナ、洋白(洋銀)、白銅等

フルートは銀のほかにも、白銅(キュプロニッケル)、洋白もしくは洋銀と呼ばれる銅ニッケル合金(6割〜7割強が銅)を使った入門者用のモデルや、金、銀、銅の三元合金、K14、K18、K24といった金合金を使ったモデル、プラチナを使ったモデルなどがあります。

いずれの素材も音色に影響があるといわれており、それぞれが個性ある音色を奏でることができるとされますが、各素材で作られている楽器の持つ性能をフルに発揮させるには演奏の難易度も素材ごとに違うといわれ、奏者の好みや技量、演奏経験、用途にあわせて選択されています。

銀製フルートの価格帯

もちろん、銀、金、プラチナといった貴金属を使用した楽器の場合はその素材となっている貴金属の価格とも連動していますので、K24の純金ともなれば、1000万円を超えるものも珍しくありません。プラチナにしても総プラチナ製のフルートであれば800万〜900万円前後の価格となります。これに対して、洋銀などの銅ニッケル合金の場合は20万円前後の価格帯となり、銀合金であれば、60万円〜100万円前後の価格帯が多いです。

純銀は使われない

なお、宝飾分野で「純銀」の名称を冠するのは、Ag999となる銀だけで、銀の純度が99.9%以上のものだけです。したがって、純銀のフルートというものは存在しません。高い純度を持つ銀はやわらかく、経時軟化といって時間を経るとやわらかくなってしまう性質を持ち、楽器や宝飾品として使うには難があるため、他の元素と組みわせた銀合金の形で利用されます。

フルートの部位ごとに異なる素材を用いたもの

フルートが銀製であるといっても、すべてが銀製のものもあれば、一部は金であったり、プラチナであったり、めっき部分に違う貴金属を使っているケースもあります。構造自体は、管楽器であるため、「管」を中心としたものですが、以下の3領域がそれぞれ別の金属で作られているものもあります。総銀製のものの場合は、これらすべてが銀ということになりますが、メッキやキー、メカニズムに異なる金属を使っている場合は、その金属に応じた手入れやメンテナンスが必要です。

  • 引き抜き管(頭部管、管体、座金、リング、ポスト)
  • キー・メカニズム
  • 表面処理(メッキ)

総銀製のものであれば、上記すべてが銀ということになりますが、メッキのみ銀メッキで引き抜き管は洋白、洋銀というパターンや、管・キー・メカニズムは銀製でメッキだけ金やプラチナを使用するというパターン、管だけ銀で、キーやメカニズム部分は金というものなど豊富な組み合わせのものが存在します。

銀のフルートが変色、黒ずみが発生する理由

銀の弱点のひとつに、硫化や塩化といった問題があり、これらによって銀の表面が黒ずんでしまうことがあります。銀製のフルートに金メッキなどを施すと、金は腐食や変色に対しては最高クラスの性能を持つ貴金属ですので、見た目の変色を嫌う方はこうしたものを選ばれることもあります。

アクセサリーなどの分野では、銀によく似た質感をもつロジウムもメッキとして使われますが、銀フルートではあまり見ません。メッキとしては、銀メッキ、金メッキ、プラチナメッキが主として使われます。

もっとも、銀の黒ずみは腐食ではありません。表面に硫化銀が生成される硫化や塩化による変色ですので、銀そのものを侵食してボロボロにしていくような錆とは異なる現象です。

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