銀925、Ag925、SV925の純度|スターリングシルバー925の刻印の意味や硬さ、価値について

2019年8月23日更新

Ag925、SV925は銀合金の一つでスターリングシルバーの名称で知られます。成分としては925‰が銀で、残りの75‰が銅となる二元合金が主流ですが、欧州では銀以外の金属(割金と呼びます)をカドミウムを使ったものもあります。925という数字は銀の純度を表しており、単位は千分率であるパーミル(‰)となります。パーセントで表示する場合、92.5%が銀で、銅を割り金として使う場合、残りの7.5%が銅で構成されている合金ということになります。素材としての価値は、より高純度の純銀には劣りますが、細工などのアクセサリーとしての価値はまた別物となります。

925は広くジュエリーや装飾品に使われるほか、アンティークの銀製品にも使われてきた銀合金で、古い鏡などでも見ることがあります。

刻印として、Ag925、SV925、銀925、Silver925、925、Sterling silverといった表記がつけられているシルバー製品は、すべてスターリングシルバーが使われていることを意味しています。この銀は銀合金の中でもジュエリー、アクセサリーといった宝飾品の分野ではもっとも多く使われている銀合金のひとつともいえます。銀以外の金属成分を表示する、たとえばAg925(Cu)といった表記が使われることもあります(この事例では銅)。

スターリングシルバーの硬度、引張り強さ

金属の性質としてみた場合、スターリングシルバーは時効硬化型の合金です。加工時には加熱してやわらかくしても、また冷やすと硬くなるため、使い勝手のよい合金でもあります。実際に硬度を上げるためには時効硬化処理を行います。具体的には、加熱したあとに水中で急冷する溶体化処理をまず行い、これによって硬度が60から70 HV程度になります。この状態はやわらかく変形させやすいため、この段階でジュエリー等に加工します。その後、さらに加熱し、放置します。かける温度や時間によってその後に得られる硬度は変化しますが、このAg925は150 HVまで硬度を上げることが可能です。通常は、最終的に100から120 HV前後の硬さで調質されることが多い合金といえます。

硬度以外の物理的性質については、ワイヤー状にしたスターリングシルバーで引張強度が焼きなまし後で207MPa前後、熱処理により1/2硬質で386MPa、硬質で496MPaとされます。

耐変色性に優れたアルゲンティウムスターリングシルバー

スターリングシルバーが銀と銅の合金であることは前述したとおりですが、主となる銀に対して銅は割り金(わりがね)とも呼ばれ、刻印の上ではAg925(Cu)と打たれることもあります。近年はこのスターリングシルバーをさらに改良したアルゲンティウムスターリングシルバーと呼ばれる銀合金も出てきています。これは銀の純度はスターリングシルバーと同じ92.5%になっていますが、7.5%の銅の部分を若干減らし、1%未満のゲルマニウムを銅を減らした部分に添加した銀合金です。銀製品の大きな弱点である変色に対し、強い耐性を持たせる狙いがあり、耐変色性に優れた銀合金といえます。

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