硬鋼とは

2013年12月9日更新

硬鋼(こうこう)とは、鉄鋼材料を「硬さ」で分類したときの一つの区分です。硬い順にこの区分を見ていくと、最硬鋼、硬鋼、半硬鋼、半軟鋼、軟鋼、極軟鋼、特別極軟鋼となります。大きく二つに分けるのであれば、鉄鋼材料は軟鋼、硬鋼のどちらかに分けることもできます。

硬鋼は、鉄鋼材料のなかでも、成分として含まれている炭素量が0.40%から0.50%のもので、硬度が要求されるような重要部品や部材に使われる鉄鋼材料です。特に構造用をはじめ、軸関係の部材、シリンダやキー、レール、車輪などにも使われます。一般的には、熱処理をすることでさらに強度をあげたり、表面の硬さだけを上げつつ、材料のねばり強さを上げるといった手法も使われます。鋼がもともと持っている成分と、その後の熱処理によって鉄鋼の強度や性質は最終的に決まります。

鋼(ハガネ)における硬さは、ある程度までは引張強度に比例していくため、より硬い材料は、より引張強さにも優れているということが言えます。ただ、硬いということは、衝撃を吸収する能力には乏しくなるため、より大きな力を受けた際に破断する可能性も増していきます。この辺りはバランスを見ていく必要があります。

研磨や研削で表面を加工する必要がある場合、軟鋼よりも硬鋼のほうが加工しやすいのですが、これも硬さの程度によります。鉄鋼材料のためダイヤモンド工具は使えないので、超砥粒であればCBNを用いた工具での加工となります。

軟鋼・硬鋼の分類
二つに分ける場合 硬さで区分けした鉄鋼材料の名称 含有しているC(炭素)% 引張強さ(MPa)の目安
軟鋼 特別極軟鋼 0.08%以下 313前後以下〜411前後
極軟鋼 0.08%〜0.12% 313前後〜411前後
軟鋼 0.12〜0.20% 372前後〜432前後
半軟鋼 0.20〜0.30% 431前後〜539前後
硬鋼 半硬鋼 0.30〜0.40% 490前後〜588前後
硬鋼 0.40〜0.50% 568前後〜686前後
最硬鋼 0.50〜0.80% 637前後〜980以上

鉄鋼材料の分類方法は、他に炭素量で区分けする方法や、規格で分類する方法、用途で分類する方法、形状や熱処理で分類する方法などもあります。

炭素量で分けた場合、下表のような区分けも可能です。

炭素量で鋼を分類した場合
鋼の名称 炭素量
低炭素鋼 おおよそ0.3%以下
中炭素鋼 おおよそ0.3%から0.7%
高炭素鋼 おおよそ0.7%以上

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