鍛錬成形比、鍛造比と鍛錬の種類

2013年1月2日更新

鍛鋼品や鍛造品がどれくらいの鍛えられたものかを表す鍛造比、鍛錬成形比には固有の表記方法があります。例えば、3Sや1/2Uなどと鍛造比が書かれていた場合は、どの方向から鍛錬を行ったのかそれぞれ違うものを意味しています。ここでは鍛錬の種類と鍛錬成形比の記号について説明します。

鍛錬の種類ごとの鍛造比を表す記号

実体鍛錬
鍛錬を行う材料の断面積が縮み、長さが伸びるような鍛練のことを言います。記号として数字の後にSがつきます。3S、2Sなど。
据え込み鍛錬
鍛錬を行う材料の断面積が大きくなり、長さが縮むような鍛錬のことです。記号としてUがつき、分数で表示します。1/2Uなど。
展伸鍛錬
片方から鍛錬する材料を圧縮するような力をかけたときに、この力方向と直角になる2つの部分が変形していくような鍛錬のことです。平たく言えば、立方体を上からつぶして、高さ部分だけが小さくなった直方体にようにしてしまう加工などのことです。 この鍛錬を示す記号にはFがつきます。つぶす方向によって実体と据え込みのように、実数か分数かの違いとなります。
中空鍛錬
管の内側や、穴の開いた加工物の鍛錬のことで、中空を残したまま、断面積部分が縮み、長さが延びるような鍛錬のことで、鍛錬の記号は末尾にMがつきます。3M、2Mなど
穴広げ鍛錬(穴ヒロゲ鍛錬)
穴の開いた加工物を鍛錬するとき、穴そのものが広がるような鍛錬のことで、記号は末尾にEをつけます。鍛錬比2E、3Eなど。

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