製作所と工場の違い

2022年1月9日更新

製造業において製作所と工場というのは製造や加工を行うための同じ場所や施設、同じ生産拠点を意味していることも多々あるのですが、製作所が少し大きな単位、拠点やサイトを意味するのに対し、工場は大きな単位だけでなく小さな単位でも使うことができる用語という違いがあります。英語ではどちらもfactoryということもでき、特に製作所は社名で使う場合はmanufacturer、manufacturingやその略語のMFGが使われることもあります。

製作所の下部組織に工場がある場合とその逆パターン

例えば横浜製作所といった場合、その会社の持つ横浜の生産拠点を意味しますが、その中に第1工場、第2工場、第3工場とわかれている場合、製作所という単位がそれらを統合集約した拠点という意味となります。またこの場合の製作所には、工場以外の組織も含まれることがあります。一方で、この場合でも工場がひとつしかなければ、横浜工場という用法でも事足ります。したがって会社の組織構成によっては、製作所をすべて工場と呼称していることも多々あります。

一方、工場と使い分ける意味合いで製作所といった場合、その中に含まれている組織は工場、いわゆる製造ラインや製造部門だけでなく、その運営をサポートをする間接部門が含まれていることもあります。製作所単位で採用権限等もある場合は、人事部門もありますし、経理部門や総務部門もあります。生産技術系の職種や工場建屋の設備を担当する工務部門が含まれることもあります。

この場合、製作所長というのはひとつの会社を統括するような役割を担うことがあります。一方の工場長は、生産施設としての工場を統括する立場の管理職となります。製作所によっては前述の通り、中に複数の工場を持つ場合がありますので、そのそれぞれに工場長が存在することになります。

社名の一部として使うパターン

また製作所というのは、会社名としても使うことができます。〇〇製作所という名称をもつ会社は日本には大規模なメーカーから小規模なところまで多数存在します。製造メーカーであることを示す用語して使われることが多いです。

一方の工場は社名としてはほぼ使われません。このことから、工場はより直接的に生産に使用する施設を指し示す意味合いが強く、製作所は工場の持つ意味のほか、それらを含む生産拠点や会社単位での大きな意味を持つということになります。

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