英語での納期の書き方

2022年8月15日更新

英語での納期の書き方は、いくつか表現方法があり、例えばdelivery date(納期、納入日)とする方法のほか、shipping dateやdispatch date(出荷日)とする場合、どこかの日付を起点にしてそこから何日以内と書く方法もあります。締め切り日を示すdeadlineやdue dateもよく使われる表現です。

使用する納期の意味を見定める

まず納期には「締め切り」という意味と「物品の納入の締め切り日」という2つの意味があります。つまり、物の納入を伴わないものにも締め切りや期限という意味で日本語では納期という表現を使うことがありますので、これらは英語では分けて表現する必要があります。

納期の意味
納期の種類 物品の納入を伴わない締め切りを示すもの
物品の納入を伴うもの
納期の範囲 納入する日をピンポイントで指定するもの
納入の期限を指定するもの(その期限内なら早く納入してもよい)

また、これは契約上の問題になるのですが、「納期」と「納入日」が実務の世界では区別して使われる場合とそうではない場合があります。

本来の意味では、8月1日納期といった場合、8月1日までに納入すればよいという意味なので7月30日や7月31日に納入してもよいということになりますが、業界や業種によっては8月1日納期といった場合、8月1日にしか納入を認めないという意味で使われることもあります。この場合、正しくは「納入日:8月1日」という条件で契約する必要があります。

もっとも海外取引で物品の貿易を伴うものの多くは、海上輸送にしろ空輸にしろ、輸送遅延や税関検査、通関などの遅れはよく起きますので、余裕を持った納期を設定するか、船便の遅延や通関の遅れといった売り手側でコントロールできない事象によって起きた遅延の責任を売り手側でカバーする必要のないような条件で売買契約を行う必要があります。

例えば、売り手側の倉庫や工場から出荷したらそれ以降に起きた遅延は買い手の責任とするといった具合です。貿易条件でEXWを指定しているなら、売り手にとっての納入条件はもっともゆるく、「自社工場や倉庫を指定した日」に出荷という条件を納期にすればよいということになります。

FOBの場合であれば、自国の指定港で船に積み込みするまでの納期は売り手が責任を持ってみる、という売買条件にしておくと売り手はやりやすいと思います。FOBであれば、海外船便の選定や決定は買い手側が行うので、その買い手側が指定した船便に載せるところまでの納期に責任を持つ、という形にするとスムーズです。

納期と連動する諸条件

指定納期に間に合わせるためには、いつまでに注文が必要といった他の条件と通常は連動しています。見積書などで相手方に納期を提示する場合はこうした諸条件も記載する必要があります。例えば、注文から出荷までにかかるリードタイムを考慮せずに、いきなり今日注文して今日納期だといわれても、たいていのオーダーは対応できないと思います。こうした場合は、受注後何日後というような表記にしておく必要があります。

他にも確定注文の受領から出荷までのリードタイムが不足していて対応が難しい場合は、内示情報を買い手から売り手に提供する等の条件も付け加えないと、日々の業務がまわらなくなる可能性があります。あるいは在庫を異様に多くもたないといけなくなったり、毎回遅延して損害賠償金を払わされるというようなことにもなりかねません。

注文を受けてから出荷ができるようになるのにかかるリードタイムや諸条件を加味して納入条件を設定するのは、取引基本契約や売買契約といった土台となる契約で行う場合と、毎回の注文で行う場合の二通りあります。

英語での納期指定の書き方

下表に英語での納期の書き方のバリエーションをまとめていきます。注文書や見積書はもちろん、メールでの納期確認の際にも相手がどういう意味で使っているのかわからない場合は、別の表現で言い換えてみるのもよいでしょう。

英語での納期指定の書き方
納期表現 意味 英語表記例
delivery due date 納入期限を示す納期のことです。実際に物品の納入を伴う取引で使います。 Delivery due date: August 1st, 2022(納期:2022年8月1日)
due date 納期限、納期、締め切り日。物品の納入を伴わない場合にも使えます。 Due date: August 1st, 2022(納期または締め切り:2022年8月1日)
delivery deadline 納入期限。最終的な期限となる納入日を示す表現です。due dateとならび、納入までの「期限」を納期としている場合で、指定日付より前に納入するのはOKとなる表現です。 Delivery deadline: August 1st, 2022
deadline 締め切り。納入というよりは何かに対する締め切りや期日を示すのに使われる表現です。 Deadline for this submission is tomorrow. この提出の締め切りは明日です。
delivery period 納入期間という表現です。何月何日から何月何日までの間に納入しますという条件が設定できます。 Deliery period: from Jan 1st, 2022 to Feb 1st, 2022
Delivery within withinに続いて条件を記載し、〜してから何日以内に納入するという表現方法です。 delivery within 40 days after dispatch(出荷から40日以内に納入)
Shipping date 出荷日を示しますが、出港日を表わすこともありますのでどこからの出荷なのかを明記するとよいでしょう。 Ship from Kinugasa factory on July 20th, 2022(衣笠工場から2022年7月20日に出荷)
Shipping date from Nagoya port on July 20th, 2022(名古屋港からの出港日:2022年7月20日)
Dispatch date 出荷日を示します。自社の指定倉庫や工場からの出荷日という形にもできます。 Dispatch from our factory on January 1st, 2022(当社工場から2022年1月1日に出荷)
Dispatch within 40 days from your firm order.(貴社ご発注から40日以内に出荷)
ASAP As soon as possibleの略です。最短で出荷します、最短で対応しますという場合に記載しますが、1週間なのか1ヵ月なのかはこの表現ではわからないことになります。自身が買い手側なら、この表現を相手が使った場合、明確に期日を記載してほしいと依頼したほうがよいでしょう。 Delivery: ASAP(最短)
Due date: ASAP(最短)
TBD To be Determinedの略で、後ほど決定の意味。納期や締め切りが未定の場合に記載する表現です。Will be confirmedやTo be Confirmed(略してTBC)ともいいます。 Delivery: TBD(未定)
Due date: TBD(未定)

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