亜鉛(元素記号 Zn)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

亜鉛は鉄や銅とともに人の体にはなくてはならない微量元素(鉄に次いで2番目に多い)であり、典型元素に分類される金属の一つです。酸とアルカリの双方に反応する両性元素としても知られます。

亜鉛はイオン化傾向が強く、鉄よりも先に腐食するため、亜鉛メッキをすると犠牲腐食を起こし、本体である鉄を腐食から守るという特性を持ちます。このため、古くからトタン板(鋼板に亜鉛メッキしたもの)として使われてきています。

また、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%を組み合わせたアルミニウム−亜鉛メッキによって被覆された鋼板は、ガルバリウム鋼板として、国内では安価で耐腐食性に優れた屋根材として使われています。

亜鉛はこのほか、銅と組み合わせて真鍮や各種電池の陰極板にも使われます。

亜鉛の埋蔵量は中国が多く、オーストラリア、ペルー、カザフスタン、米国、メキシコなどが続きます。

亜鉛(元素記号 Zn)が活用されている分野

  • 亜鉛メッキ
  • アルミ亜鉛メッキ
  • 青色発光ダイオード
  • 透明導電膜(ITOの代替品としてZnOや化合物が研究中)
  • ボルタ電池の負極
  • 電池の陰極板
  • ガルバリウム鋼板
亜鉛(元素記号 Zn)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d104s2
英語 Zinc
原子量 65.39
同位体 64Zn、66Zn、67Zn、68Zn、70Zn
融点 419.53℃
沸点 907℃
密度 7.14g/cm3
比重
硬度 モース硬度2.5
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:24.5
293K(20℃):30.2
500K:32.8
800K:-
亜鉛(元素記号 Zn)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ -
300℃ 13.0
100℃ 7.8
0℃ 5.5
−195℃ 1.1
亜鉛(元素記号 Zn)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 66
300℃ 104
100℃ 112
0℃ 117
-100℃ 117

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