得意先と納入先の違い
得意先(読み方:とくいさき)とは、サービスや製品を購入してくれるお客様であり、実際に代金を支払ってくれる販売先、契約先のことを意味し、納入先(読み方:のうにゅうさき)とは注文された製品を納入する先となる会社や場所を意味します。
得意先と納入先が同じこともありますが、自動車部品業界の場合、自動車メーカーから部品メーカーAに注文が入ったものの、Aの部品を別の部品メーカーBへ納入し、Bが完成部品に仕上げて自動車メーカーに納入するという形態をとるものがかなり多く、この場合、得意先が自動車メーカーで納入先が部品メーカーBとなり、得意先がBに部品を支給するという形をとります。
売買契約自体は得意先との間で行いますが、その得意先が指定した特定の会社や場所に納入するので、納入先という用語が存在します。
自動車部品のような限られた業界の場合、得意先との間の直接取引と、納入先となる会社との間でも直接取引があるというケースも珍しくありませんので、この場合、対象となるオーダーの得意先がどこか、というのは把握しておく必要があります。
有償支給が網の目のように張り巡らされているのが自動車部品のサプライチェーンの特徴の一つになりますので、得意先を誤認していると思わぬトラブルになることがあります。
問題を複雑にしているのは、有償支給取引の場合、実際の納入日程や数量の希望は得意先ではなく、納入先からくることが多いという点です。これは得意先が支給先との間に売買における金銭のやり取り以外で間に入ると、納期調整するだけでも双方の間に入る必要があり、手間がかかることが理由です。こうなると、見掛け上は納入先から注文が入っているように見えますが、実際の売買はあくまで得意先との間で実施されており、請求と支払いも得意先との間で実施することになります。
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