軽自動車の年間維持費の比較とシミュレーション

2018年12月3日更新

軽自動車は購入したあとの維持費が月額換算でも年間でも安いことがメリットのひとつとして挙げられますが、具体的な「維持費」の内訳と金額を、普通車と比較してシミュレーションしてみます。一部、自動車を購入する「取得時」と連動しているコストもありますので、あわせて表にまとめていきます。

自動車の販売台数ランキングで「軽自動車」が上位に入るようになって久しく、各社のブランド名の売上台数だけで見た場合、現在、日本では単一ブランドとしては軽自動車のブランドが台数としてはもっとも多く売れていることになります(月に2万台を超えることも。常時毎月1万台売れている軽自動車の車種もあります)。様々な理由がありますが、維持費の低さが魅力であることは一因の一つといわれます。具体的にいくら維持費が違うのか見ていきます。

 

まず、軽自動車に限らず、自動車の購入代金を除くと、取得から維持にかかる費用というのは、以下の合計になります。

自動車の維持費(取得時含む)の一覧
維持費、取得時にかかる費用 支払う間隔
自動車取得税 自動車を購入したときに払う税金(1回)
自動車重量税 購入したときと2年に1回の車検のときに払う。燃料満タンで無人の状態の重さである「車両重量」に対してかかる。車両総重量は、乗車定員に55kgをかけた重量が加算された重さで、重量税の計算には用いない。
自動車税・軽自動車税 毎年払う(総排気量、つまりエンジンの大きさで金額が違う)
ガソリン代 都度
車検 初回は3年間有効、以降は2年に1回行う(通常、「自動車重量税、自賠責保険、検査手数料」の法定費用と、「24カ月定期点検料、測定検査料、車検代行手数料、必要に応じた部品交換費用」の合計)
自動車賠償責任保険、任意保険 自賠責保険は強制保険、任意保険も実質加入必須

これらのうち、自動車保険については保険会社とその契約内容によって、車検についても依頼先によって変わってしまう部分となりますが、それ以外については法律で定められているため、改正がない限り、このコストが固定でかかってきます。

以下、軽自動車と普通自動車の維持費の比較を表にまとめていきます。

軽自動車と普通車の税金の比較

軽自動車と普通車の維持費(税金)の違い
比較項目 軽自動車 普通車
自動車取得税 車両価格の2% 車両価格の3%
自動車重量税 3,300円/年(購入から3年〜13年未満)、4,100円/年(購入から13年〜18年)、4,400円/年(購入から18年経過〜) 2年車検時、使用暦13年未満で比較
0.5t以下 8,200円(4,100円/年)
〜1tまで 16,400円(8,200円/年)
〜1.5tまで 24,600円(12,300円/年)
〜2tまで 32,800円(16,400円/年)
〜2.5tまで 41,000円(20,500円/年)
〜3tまで 49,200円(24,600円/年)
自動車税
(総排気量によって異なる)
660cc以下(軽自動車) 10,800円/年 1000cc以下 29,500円/年
1000cc超から1500cc以下 34,500円/年
1500cc超から2000cc以下 39,500円/年
2000cc超から2500cc以下 45,000円/年
2500cc超から3000cc以下 51,000円/年
3000cc超から3500cc以下 58,000円/年
3500cc超から4000cc以下 66,500円/年
4000cc超から4500cc以下 76,500円/年
4500cc超から6000cc以下 88,000円/年
6000cc超 111,000円/年
 

自動車の税金は、エコカー減税とグリーン化特例で減免

環境負荷の低減に貢献する車については、自動車重量税・自動車取得税を軽減する「エコカー減税」と、自動車税・軽自動車税を軽減する「グリーン化特例」という税制の恩恵を受けることができます。

内容を見るとわかると思いますが、要件を満たす環境にやさしい車の場合、税金がかなり安くなります。日本でも国策としてエコカーの普及を強力に後押ししようとしていることが伺えます。

エコカー減税、グリーン化特例の軽減内容
エコカー減税 自動車取得税と自動車重量税を免除、軽減
グリーン化特例 軽自動車税・自動車税を軽減
   

上記の表では比較しやすくするため、このエコカー減税やグリーン化特例を加味していませんが、参考までに以下のような減税となり、普通車、軽自動車ともに維持費が大きく下がります。

以下の期間での自動車取得税、自動車重量税の軽減
自動車取得税 平成30年4月1日〜平成31年3月31日
自動車重量税 平成30年5月1日〜平成31年4月30日

電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル乗用車などは免除。つまり税金なし。重量税についても同様で免税。

ガソリン車やハイブリッド車は、国が設定する燃費基準への達成度に応じて、取得税は20%軽減、40%軽減、60%軽減、80%軽減、免税の5段階があり、重量税は25%軽減、50%軽減、75%軽減、免税の4段階となっています。

軽自動車や普通乗用車の自動車税 電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル乗用車などは約75%軽減。ガソリン車とハイブリッド車については、排ガス性能と、燃費性能に応じて約25%軽減される場合と、約50%軽減される場合とに分かれます。

反対に、13年を経過した車は、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ガソリンハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車に該当しない場合、20%税金(普通車の場合、15%)が上がります。

環境負荷が大きい古い車や登録から経過年数が長い車の場合、税は重くかけられることになっているため、あまり長期間同じ車を乗り続けると税金が高くなる仕組みになっています。13年、18年を目安に買い替えを促す税制になっています。

軽自動車と普通車の保険の比較

軽自動車、普通車の保険は車両保険を入れるどうかで大きく変わりますが、車両保険を入れた場合、一般にはプリウス等排気量1800cc以下の乗用車の7割程度が軽自動車の保険料といわれています。ただし、保険会社、補償内容、運転者の等級、年齢、運転距離などによっても大きく変わるため、比較が難しい分野です。

特に難しくなるのは、車両保険の場合、車種・ブランド・車型によって細かく料率が変わるためです。事故を起こしやすい車の場合、高めの率が設定されるため、車両保険も高くなります(もちろん、車両自体の価格が違いますので、補償金額も異なることから掛け金にも違いが出ます)。

なお、車両保険というのは相手方の保険会社から補償されない分、例えば200万円が相手から支払われたとして、修理に250万円かかったような場合、差額の50万円を補償したりといった使い方もされます。

自賠責保険の場合、軽自動車と普通車で維持費にほとんど違いがありません。また任意保険でも上記の車両保険を入れなければ、1800ccクラスの乗用車と軽自動車とではあまり大きな違いが出ません。

軽自動車と普通自動車の維持費|保険費用
保険 軽自動車 普通自動車
自賠責保険
(2017年度例)
24カ月:25,070円(1年間あたり12,535円) 24か月で25,830円(1年間あたり12,915円)
任意保険(車両保険なし)例 スズキワゴンR(排気量658cc) 23,250円/年 トヨタプリウス(排気量1797cc)30,260円/年
任意保険(車両保険あり)例 スズキワゴンR 5万円前後 プリウス 7万円前後
  

補償内容、保険対象者、運転距離、車型によって細かく分かれます。詳細は保険会社へ確認要となりますが、車両保険込みにした場合、軽自動車の保険料はおおむね普通車の7割前後とも言われます。

軽自動車と普通車の燃費の比較

ハイブリッド、電気自動車、燃料電池車などの登場で、軽自動車と普通車の燃費については、車種によっては普通車のほうが優位になりつつあります。ただし、軽自動車自体がもともと燃費のよい車であることには変わりありません。

軽自動車と普通自動車の燃費の比較例
軽自動車 スズキアルト 37.0km/L、
ダイハツミライース 35.2km/L
普通自動車 プリウス(Eグレード) 40.8km/L

軽自動車の月間、年間の維持費

以上から軽自動車と普通自動車の維持費をまとめてみます。

エコカー減税、グリーン化特例を適用させずに試算した場合の年間、月間の維持費は、ガソリン代を除くと以下の様になります。

130万円の軽自動車、新車購入と仮定した維持費

軽自動車の維持費
項目 費用
自動車取得税  26000円
自動車重量税  3300円/年
軽自動車税  10800円/年
自賠責保険  12535円/年
任意保険  25000円/年
  • 初年度:77635円/年=6470円/月
  • 2年目:51635円/年=4320円/月

車検が必要になる以降は、2年に1回35000円〜40000円程度が必要になるため、月間の維持費は約6000円ということになります。

1800ccの普通車、250万円の新車を購入したと仮定

普通車の維持費
項目 費用
自動車取得税  75000円
自動車重量税  12300円/年
自動車税  39500円/年
自賠責保険  12915円/年
任意保険  30000円/年
  • 初年度:169715円/年=14143円/月
  • 2年目:94715円/年=7893円/月

これに2年に1度掛かってくる車検の費用を按分した金額を載せる必要があります。一般には、5〜6万円となるため、月間の維持費は、約10300円ということになります。

いかがでしたか。プリウスクラスの普通車であれば、月間10300円前後、軽自動車であれば月間6000円前後となります。今はエコカー減税、グリーン化特例の対象となる車のほうが普通車も軽自動車も多いため、実際にはさらに安くなりますが、軽自動車の本来の維持費はこれくらいになるという目安になれば幸いです。

スポンサーリンク

「軽自動車の年間維持費の比較とシミュレーション」の関連記事

>このページ「軽自動車の年間維持費の比較とシミュレーション」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集