自動車でのICEの意味とは

2023年6月4日更新

自動車で使われるICE(読み方:アイシーイー)は、Internal Combustion Engine(日本語訳では内燃機関)の略で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで動く車やガソリンエンジンそのものを意味しています。

車にほぼガソリンエンジンしかなかった時代はあまり使われることもありませんでしたが、近年はEV(電気自動車)、HV(ハイブリッドカー)、PHV(プラグインハイブリッドカー)、FCV(燃料電池自動車)に対比される形でガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車であることを示す呼称としてよく目にするようになりました。

ICEの名称自体は以前は論文や業界関係者のみでの狭い範囲での使用が散見されるのみでしたが、近年は特定業界だけでなく、広く使われるようになっています。

ガソリンなどの燃料を機関内で燃やして、発生した熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することから、ガソリン車・ディーゼル車自体にICEという呼称が使われています。

現在はガソリンとディーゼルがICEの主力のため、ハイブリッドや電気自動車、水素自動車などと対比してガソリンエンジン車の代名詞として使われていますが、今後は別のエネルギーを用いたICEが搭載された自動車が市場に拡がる可能性もあります。

ICEのエンジンはレシプロとロータリー

なお、エンジンには複数の種類があります。動力を得る仕組みで大別すると、ピストンの上下で動力を得るレシプロエンジンと、回転するローターによって動力を得るロータリーエンジンの2種に分かれます。また、燃料の種類によってガソリンエンジンとディーゼルエンジンに分かれます。

レシプロエンジンは4気筒、6気筒、8気筒、10気筒といった言い方がなされる通り、シリンダーの数を気筒で表現してエンジンの持つ力の強さがわかるようになっています。レシプロエンジンは、シリンダー内で空気とガソリンの混合気が爆発することでピストンが上下して動力を得ますので、気筒数が多いほうが爆発の間隔が短く、より強い力を生み出します。

シリンダー内では吸気、圧縮、燃焼、排気という4つの動きを繰り返しながら力を得るため、4ストロークエンジンとも言われます。

またレシプロエンジンは、気筒の並べ方によって、直列エンジン、V型エンジン、水平対向エンジンのように異なる名称がつけられます。

ロータリーエンジンは、実用化しているメーカー・車種が少なく、マツダがよく知られますが、ピストンの上下ではなく、ロータリーの回転で動力を得る仕組みです。部品が少なく、エンジンを小型化・軽量化できるメリットがありますが、エンジンの冷却が難しいという特徴があります。

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