雑パレットの意味とは

2022年1月15日更新

雑パレット(読み方:ざつぱれっと)とは、サイズや規格がバラバラで自社で購入したものではない使いまわされている木製パレットのことを意味しています。業種や業界によっては、木製ではないものの、サイズや色が統一されていない、倉庫で使いまわされているパレットを総称して雑パレットと呼ぶこともあります。総じて以下の条件に当てはまるものということになります。

  • 寸法規格や色がバラバラ
  • 余ったものやその場限りのもの
  • 輸入品で使われたものがどこかから転用されたもの
  • 自社で購入していないもの
  • 誰のものかはっきりしないもの

何度も使用する返却前提の荷材

雑パレットはほとんど価値のない古いパレットであることがほとんどで、劣化が激しいとパレット破損による荷崩れの要因にもなるので使用期限の見極めが難しいところですが(ゲタの部分や荷物を載せる面が割れてしまうとパレットが倒れたり崩れたりするので大変危険です)、パレットが返ってこなくてもよいような場合に使うことが多いです。というのも、パレット代というのはきちんとしたものを購入すると枚数もかさむため、意外にかかるためです。

各業界での納入慣習にもよりますが、一般に顧客への納入に使うパレットは、出荷する側が購入し、納入した後は顧客側からパレットを返却してもらい、何度も使うことになります。このため、寸法規格や作りもしっかりした樹脂パレット(プラパレット)が主流になります。ワンウェイの使い捨てを前提にしたプラスチックパレットもありますが、樹脂パレットは軽いものでも1枚10キロ前後はあり、しっかりした樹脂パレット(両面使用)だと重さも1枚30キロを超えるものもあります。価格もそれなりにするので、何度も使いまわせることが大前提になります。

パレットにも名前や識別がある

顧客との納入取り決めの際や、もともとパレタイズコードなどの厳密なルールを持っている客先との間では、どの規格サイズで、何色のパレットを使うかあらかじめ取り決めることがあります。これは自社の倉庫での区別にも役立ち、特に品質が厳密なものや特定の納入品を区別してパレタイズしたいときなどにも役立ちます。

こうしたパレットには自社名やロゴが入ることもあります。「名入れ」を行うのは自社の所有物であることを示し、勝手に転用されたり、きちんと返却されるようにとの意図があります。ただし自社名を記載しただけではパレットは返ってきませんので、返却の取り回しをあらかじめ顧客、輸送業者、倉庫やデポと決めておく必要があります。

一方、こうした取り決めをしない場合や、パレットの返却がきちんとなされない納入先に対しては、雑パレットを使うことで、パレット紛失による損害を抑える意図があります。

また単にパレットを定期的に購入する習慣がないので、仕入先や納入業者からもらったものを使いまわすというスタイルの小規模業者の場合も、使用するパレットは原則雑パレットになってきます。

つまるところ、雑パレットは名無しのパレットということもできます。

コストのかかるパレットはなぜ多数必要なのか

パレットは自社での在庫置き場で使うだけでなく、輸送中、顧客へ納入されて一時置きされ、自社返却されるまでにリードタイムがかかりますのでその分のパレットを余計に持っておかないと不足してしまいます。このため、パレットの枚数というのは納入数量によってはかなりの枚数になり、荷材費等のコストを圧迫する要因にもなります。

売上が増える、物量が増えるという計画があれば、物流部門が多くのパレットの予算をとって買い足すことになりますが、それ以外にも老朽化や品質劣化でダメになるパレットの入れ替えを定期的に行う必要があります。

物流倉庫の現場では大量のパレットが行き交いますので、自社のパレットが知らないうちに別の会社で転用されていたり、倉庫の一角で眠ってしまい、枚数不足してまわらなくなったと思い込んで買い足すというようなことが割とよく起きます。

こうしたパレット購入の抑制のために使われる隙間的な存在が雑パレットということになります。

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