スキッドとパレットの違い

2018年5月14日更新

貿易用語でパレットはP/L、スキッドはS/Dと略されて表記されることが多いですが、スキッドとパレットは似通っているので混同されることもあるものの両者には違いがあるため、本来使い分けが必要です。しかしながら、スキッドとパレットの表記を使い分けていない国・地域、企業も実態としてはあります。

一言で言えば、両面に板があるものをパレットと呼び、板が両面ともないか、片側にしかないものをスキッドと呼んでいます。

使い分けられるパレットとスキッド

貿易でパッキングリストを見るとスキッド(SKID)となっている貨物と、パレット(PALLET)となっているものに分かれていることがわかりますが、本来正しく表示されている場合、スキッドとして表記されているものはいわゆる板にゲタがついた状態のものか、木枠だけを組み合わせて板自体がないものを意味しています。両面使うことができず、ゲタがついている側が必ず下になります。またスキッドの多くは、フォークリフトを差し込む際、2方向からフォークを挿せないものが多いです。

対して、パレットは片面使用のものもありますが、板が両面についており、梱包した箱を並べて段積みし、パレット単位で持ち運びや保管がしやすいようにするための荷材です。

スキッドとは

ゲタ、腰下ともいいます。もともとは箱に入らないような機械などであっても、スキッドを下にしてロープなどで括り付けて運ぶことができる利点があるため、使用される荷材です。このためだけに木箱をつくるとコストが上がってしまうような場合に重宝されますが、製品を保護するという面では不安が残ります。

ただ、板が片面であってもついているタイプのものは、普通のパレットとしても使えることと、コストがパレットよりは安くなるため、通常のダンボール梱包の運搬にも使われます。

航空輸送の世界では、一部、アルミ合金製のパレット以外をスキッド(いわゆる通常のパレットをスキッド)と呼ぶことがありますので使われ方に留意する必要があります。

スキッドの例

上図のように、断面からみえると上に板がついているタイプのものもあれば、下図のように格子状に組まれただけのものもあります。

スキッドの例

パレットとは

荷物を載せて運ぶ荷台としての役目を持つ点はスキッドとかわりませんが、表裏のどちらにも板がついている形となります。木製のほか、樹脂などの場合は一体型となっています。また、カーゴのようなものや大きな箱タイプのものもパレットと呼称することがあります。

パレットの例(横断面図)

パレットにも両面使用可能なものと、片面使用のみできるものとがありますが、どちらについても上板と下板はついており、これがスキッドとの大きな違いです。

パレットの例

フォークリフトで運ぶことが一般的ですが、フォークを挿入できる方向と、荷物を載せることができる面から、通常以下のような4パターンとなります。

  • 片面2方差し
  • 片面4方差し
  • 両面2方差し
  • 両面4方差し

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