海外へ書類発送する際のインボイス

2022年6月19日更新

海外へ書類を送る場合、インボイスは不要です。貿易に慣れてくるとインボイスやパッキングリスト、waybillやB/Lといった貿易書類が当たり前の存在になってくるため、インボイスなしで送ることに違和感を覚える方もいるかもしれません。

ただし国際宅配便をはじめとする輸送業者に配送を依頼する場合は、送り状(ラベル情報)は必要です。手紙のように封書での郵便の場合は、宛先と切手さえあれば現地へ届くのですが、国際宅配便のようなサービスを使う場合、送り状はラベル形式のものやオンラインで登録できるものなど各社多様なものがあります。配送先と依頼人、中身が何か、重量といった一般的な情報を記載する様式になっています。

ラベルや送り状がなくても、書類は郵便で送ることができますので、日本から海外向けであっても封筒に入れ、宛先と差出人、所定の切手をつけることで国内同様に発送が可能です。いわゆる手紙を送るのと同じ扱いとなります。このため、インボイスの作成も不要で、税関告知書も不要です。

一方、郵便小包という形で海外へ発送する場合は、インボイスが必要になります。また内容物の金額によって、税関告知書のうちCN22かCN23のいずれかが必要になります。

内容物の金額によって使用する告知書が変わりますが、この金額というのは売買金額に限らず、インボイスに記載されるその物品の価値という場合もあります。プレゼントや無償サンプルのような場合でも、本来売買するとしたらいくらなのかという観点でインボイスの価格を記載しますので、この価格での判断ということになります。

税関告知書の使い分け
国際通常郵便物に300SDR未満 CN22の書式を使用
国際通常郵便物に300SDR以上 CN23の書式を使用
 

SDR(Special Drawing Rights)というのはIMFが決める特殊な通貨単位で、特別引出権といわれるものです。特定の国の通貨換算にすると、為替変動により不公平感が出てしまうので、この特殊な単位が使われます。通貨コードであるXDRと呼ばれることもあります。計算方法は、米ドル、ユーロ、人民元、日本円、イギリスポンドの5つの通貨のレートをそれぞれ何%の比率で組み込むかを5年ごとに決めたものです。つまり、5年ごとに各通貨がそれぞれいくらずつ加算するかを見直ししています。2022年現在は5通貨総和のため、日本円に換算する為には、他国の4通貨を日本円に換算して合算する必要があります。

特定の国の為替相場で大きく変動しないようにこのSDRという単位で閾値を決めていることになります。

この金額の多い、少ないによって使用する税関告知書が変わってくるというわけです。

もっとも法律・条約により、世界共通で国際郵便で送ることができないもの、特定の国ごとに国際郵便では送ることができないものの定めがありますので、これらに該当しないということが使用条件となります。

スポンサーリンク

>このページ「海外へ書類発送する際のインボイス」の先頭へ

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集