バフ研磨とは何ですか

2010年12月18日更新

「バフ研磨」という用語は同じ研磨業界でありながら、用いられる材料や方法によってずいぶんと意味が変わってしまう用語の一つです。バフ研磨は通常、仕上げ研磨のことで、他の工程の研磨との大きな違いは、削るというよりは磨いてツヤを出す作業に近いです。研磨材は使いますが、フェルトや軟らかい布、ポリッシングパッド、フラップバフなどの布製の研磨製品を使って、磨きこむ工程です。ステンレスでいえば、青棒(クロムをベースにした研磨材)や白棒(アルミナベースの研磨材)を回転させた布バフに軽くあてて溶かし、ステンレス表面に練り込むように磨いていく工程となります。バフ研磨では、いわゆる研磨力、研削力といった研磨材そのものが持つ対象を削り取る力の弱いものを用います。

元来、研磨という言葉には研削に近い部分(削る)と琢磨に近い部分(磨く)の双方の側面があります。研削は対象を削り取り、琢磨は対象を磨いて光沢を出すという作用です。どちらにしても対象を削ることで光沢やツヤを出しているのではと思われるかもしれませんが、研磨によって表面が鏡面状態に仕上がるまでに表層のミクロレベルで起きている現象にはいくつか説があります。

粗い工程では、砥石が突き出た無数の砥粒による「切削作用」によって凸凹を段々とならしていくことが主となります。ものが磨かれるメカニズムとして、こうした微小な削り取りの作用で表面が滑らかになっていき、結果として光沢が出るという説、表層で化学反応が起きているという説、塑性流動が起きているという説などがあります。

塑性流動説によれば、研磨の際に、砥粒で作られた無数のスクラッチの周辺が溶けるように流動することで表面が滑らかになっていくというもので、削られるのではなく、高温と負荷によって起きるプレスなどの塑性加工に近いイメージです。バフ研磨は、加工時に表面を冷却しないことが多いですが、この高温下で何らかの化学的な反応と塑性流動、わずかな切削作用が複合的に起きることで、「鏡面」が仕上がっているのではないかとの説もあります。

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