SNCM220(ニッケルクロムモリブデン鋼)の成分と機械的性質(引張強さ、降伏点、伸び、絞り、硬度)

2010年10月19日更新

SNCM220はニッケルクロムモリブデン鋼で、SNC材にモリブデンを添加することで、焼入れ性のさらなる向上、高温強度の向上をはかった鋼材です。主に肌焼き用として使われます。なお、SNCM材全般に言えることですが、一般の研削砥石で加工する場合は、WA系のものがよく使われます。超砥粒で研削する場合はcBNが効果的です

SNCM220の成分(単位:%)
材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo
SNCM220 0.17
〜0.23
0.15
〜0.35
0.60
〜0.90
0.030以下 0.030以下 0.40
〜0.70
0.40
〜0.60
0.15
〜0.25
SNCM220の熱処理温度、機械的性質、硬度(参考値)
種類 熱処理温度
(℃)
引張試験
(4号試験片)
衝撃試験
(Uノッチ試験片)
硬度
(HBW)
焼入れ 焼戻し 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
SNCM220 1次850から900油冷
2次800から850油冷
150〜200
空冷
- 830以上 17以上 40以上 59以上 248〜341

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