鉄鋼材料は焼入れや焼戻しといった熱処理をすることで、硬度を高めることができる素材です。この熱処理にも、鋼材の表面だけを硬くする方法「はだ焼き」と、中心部に近い芯のほうにまで熱処理を行うことで鋼全体を硬くする方法である「ズブ焼き」があります。
ズブ焼きや、ズブ焼き鋼とは、芯部のほうまで熱処理を施した鋼、もしくは施すことを意味します。表面を硬化させるだけの焼入れ・焼戻しを行ったものは表面硬化鋼ともいいます。この表面硬化のために設計されている鋼は、ハダ焼き鋼と呼ばれるものもあります。
鋼材にズブ焼きを行ったものを使ったほうがよい場合としては、引張りや圧縮などの力を受ける箇所、例えばボルトなどはズブ焼き鋼が適しているとされます。
一方、ねじりや曲げといった力が加わる部材、部品の場合は表面の硬さが求められ、内部では簡単に折れてしまわないよう粘り強さが重要となるため、表面硬化処理された鋼が適しています。この表面硬化させる熱処理には、浸炭焼入れ、高周波焼入れなどがあります。
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