鋼板におけるr値とは何か|鉄鋼材料における深絞り加工性の判断基準

2016年6月4日更新

鉄鋼の分野においてr値といった場合、対象となる鋼板などの板材が絞り加工に有利か不利かを示す指標のことを意味しています。r値は英語ではr valueと表記されます。r値で示しているのは、下図のように鋼板を両サイドから引っ張ったときに、板材が板幅の方向(W)に変形しやすいか、板厚の方向(t)に変更しやすいかの値です。r値が大きい場合は、板の厚みの変化が少なく、板幅の方向での寸法の変形が大きいことを意味していますので、深絞り性がよいため、絞り加工にはもってこいの材料となります。反対に、r値が小さい場合は、板厚の変化が大きく、幅の変形が少なくてすむ材料となります。

上記のように鋼板におけるr値とは、板厚(t)と幅(w)の塑性ひずみ値を示したものです。

鋼板に力をかけて塑性変形させていくプレス成形には、大きく「絞り成形」と「張り出し成形」の二種があります。絞りでは、板の厚みがなるべく変わらずに材料を変形させていく加工であり、張出しのほうは逆に延ばしていった部位はどんどん薄くなっていくため、板厚が薄くなっていく加工のことです。このため、成形内容によって材料が使い分けられることもあります。

プレス加工性を見るうえで、r値のほうはその材料が絞り加工に適しているかどうかを見ることができ、r値と組み合わせて、n値と呼ばれる加工硬化指数を見ることで張出し成形に有利な材料かどうかを見ることができます。

鋼板におけるr値の示すもの

上図のように、両側から板材を引っ張り、板厚の変化が大きいか、幅の変化が大きいかで鋼板の加工適正を見ることができます。

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