自生作用(自生発刃)

2010年6月26日更新

砥石でなぜ物が削れるかと言えば、この自生作用もしくは自生発刃(セルフシャープニング)のおかげとも言えます。バイトやリーマ、スローアウェイチップなどの切削工具と違い、砥石の刃は、砥層に練りこまれた砥粒です。ダイヤモンド砥石やCBN砥石では、この粒が砥石から少しだけ頭を常に出した状態でなければ、物は削れません。

ただ砥粒が砥石から少々突き出していても、高速回転させて工作物を研削していると、磨耗していきます。このとき、砥粒と加工対象との間では、砥粒の一部分が微小破砕を引き起こして、より鋭い面が先端に出てくる現象とともに、切り屑によって砥粒を固定しているボンドが少しずつ削られています。砥粒は理論上は満遍なく砥石のなかにまぶしてありますが、完全に均等に並んでいるわけではありません。上の砥粒が破砕し、磨耗すると同時に役目を終えると、砥粒やその周辺のボンドが削られて、下から新しい砥粒が頭を出してきます。これが自生作用で、砥石で物が削れるのは、研削点では常にこうした現象が起きているからです。

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