バリ取りの方法

2011年10月3日更新

バリとは金属などの素材を加工した際に、端や角にできるむしれたような出っ張りのことを示し、バリ取りとはそれを除去することです。ほとんどの機械加工に関わりがあり、加工技術にまつわる「ものづくり」においてバリ取りから無縁な分野は稀と言えます。

バリについての対策は、製造段階でバリを予防するという部分と、加工後にバリを除去するという部分とに分かれており、両者をあわせて実施・検討することで加工時間や工数の短縮につながるため、加工現場ではよく検討されています。

バリの除去、つまりバリ取りの方法には様々なモノがあり、加工物が少なく一点ずつ除去できるのであれば、ヤスリや手で持って使うタイプのブラシ、バリ部分をこそぎ落とすバリ取りバー、グラインダーなどの回転する砥石や不織布タイプのホイールに押しつけて除去する、高速回転する研磨ベルトに部品を押しつける、ハンドポリッシャーにフラップホイール等を取り付けて研磨する方法等がよく知られています。

部品点数が多く、形状が複雑なモノについては一つ一つバリ取りを行っていると膨大な作業時間となり、作業の大半をこれに割かねばならなくなります。このため、大量の部品、特に小型の部品のバリ取りなどはバレル研磨がよく用いられます。

また、金属表面の微細な凹凸を化学的に溶解させる「化学研磨」、通電することで平滑にする「電解研磨」もバリ取りとして使われることもあります。

バレル研磨でのバリ取りとは、平たく言えば、ドラムのような入れ物に、バリ取りをしたい部品と研磨材料を入れ、ドラムをまわしたり振動させたりすることで中に入れた部品のバリを除去していくというものです。

バレル研磨の種類としては、次のようなものがあります。

回転バレル研磨
研磨能力はあまり高くありませんが、汎用性の高いバレル研磨で、変形が少ないという点に特徴があります。部品は小型のものから大型のものもまで広く対応できます。
振動バレル研磨
部品や研磨材を入れる容器を振動させるタイプのバレル研磨です。中程度の部品に有効とされ、効率性に優れた手法と言われます。
遠心バレル研磨
遠心力を利用した手法で様々なタイプがありますが、研磨能力に最も優れたタイプのものとされます。

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