陶器と磁器の違い

2013年3月16日更新

陶器と磁器はともに焼き物であり、両者の違いについては見解が分かれることもあり、明確に線引きすることが難しい部類といえます。工業材料と異なり、天然の材料に由来することと、焼き物のため、規格化が困難な材料でもあります。

双方ともに焼成してつくる焼き物であり、セラミックス系の材質ですが、一般的には、まず出発材料が異なる点が両者の違いとして挙げることができます。

陶器は、陶土と呼ばれる粘土をこねて形を作り、焼成するのに対し、磁器は陶石と呼ばれる砕いた石の粉などを原料として作ります。また、両者は焼成する際の温度が異なり、陶器が800℃から1200℃前後が焼成温度なのに対し、磁器はそれよりも高く、1200℃前後から1400℃以上で焼成するものを言います。

ただし、業界や業種によってはこれらの違いを当てはめず、陶磁器と一括りにしてしまうこともあります。

また、完成した材料として陶器と磁器を比較すると、陶器は素焼きのもので釉薬を塗っていないものであれば吸水性があるのに対し、素地が緻密な磁器のほうは吸水性がもともと非常に低くなっています。

セラミックス系の素材は、表層が多孔質の構造をしていますが、磁器の様に非常に緻密なものだと吸水性をきわめて低い値に抑えることも可能です。

あとは、定性的な評価になってしまいますが、陶器は金属などでたたいた際に低く鈍い音がするのに対し、磁器のほうは澄んだ音がするものが多く見受けられます。

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