テーパと勾配の違い

2015年3月16日更新

テーパーもしくはテーパは英語でtaper、と勾配(こう配)はslopeと表現されますが、ともに傾きや傾斜を示すためによく使われる用語です。実際のところ、これらは厳密に言えば下図のような違いがあるため、同じような使い方はできないのですが、技術系以外の方も多く使う用語である為、混同されて用いられることも多いように思います。すなわち、傾いている状態や、傾きそのもののことをテーパ―、勾配を区別せずに使っている例等です。

テーパの定義は、JISにおいては「投影図または断面図における相交わる二直線間の相対的な広がりの度合い」となっています。こう配(勾配)については、「投影図または断面図における直線の、ある基準線に対する傾きの度合い」と定義されています。

これだけでは何のことやら分かりにくいですが、下図のとおり、両側に相対する傾斜が対称的についている傾きのことを「テーパ」、反対に水平面を基準に片側のみについている傾きを「勾配」と呼び習わしています。つまり、同じ円錐上の素材があったとして、中心線を基準に片側だけの傾きを見るのであれば、それは勾配となりますが、両側の傾斜含めた傾きを見るのであれば、それはテーパ―となります。

傾斜や傾きを表現する場合に、それが勾配なのかテーパ―なのかによって形状が大きく変わってきますので、使い分けは厳密に行う必要があります。

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