振込先情報の英語での書き方

2024年3月3日更新

インボイス(請求書)を発行する際には口座情報、つまり振込先情報を英語で正確に記載する必要があり、この書き方を間違えていると相手に支払う意思があっても正しく入金がなされず、送金手数料や金利をはじめ、本来必要な経費等が倍かかりトラブルのもとになることがあります。

また反対に海外から物品やサービスを購入し、日本から送金する必要がある場合、現地から請求書が届きますが、その中に振込先情報として種々のパターンがあります。内容を誤認していると、この場合も相手先に正しく支払うことができません。

振込先情報の英語での書き方|目次
  1. Bank detailsで明示
  2. 振込先情報のテンプレート

Bank detailsで明示

振込先情報は請求書となるインボイスに物品名称や個数、売買金額、支払条件等を記載した後に、Bank detail:または支払条件のあとにRemark:として記載する方法が一般的です。つまり、請求書の末尾に振込先の銀行口座が記載されている形になります。

日本の銀行に入金を依頼する場合はシンプルに自分の口座をスウィフトコードを記載すればよいのですが、送金時に注意が必要なのは、CORRESPONDENT BANK(コルレス銀行)といった名称で、送金の仲介を行う銀行を指定している場合です。振込先となる相手方の銀行に直接送金できるとしても、送金の中継を行う銀行が指定されている場合は、自分の口座からその仲介を行う銀行経由での送金にしないと遅延や余分なやり取りが発生することがありますので、相手方が指定する中継の銀行を使用するようにします。

海外取引においては振込のことを電信送金(T/T)と呼ぶことがありますが、こちらが販売する側の場合は相手方から振込確認後に商品を発送する、とした取引条件にしないと品物を送った後に振込がなかったとしても代金回収ができなくなりますので注意が必要です。反対にこちらが購入する場合は、振込の先払いにしてしまうと、振り込んだのに相手方が商品を発送しないという問題になった際、打つ手がなくなります。フェアにいくのであれば、L/Cを使用しての売買にするほうが一般的です。企業間での取引でT/Tを使用するのはグループ会社間や何らかの資本関係があったり、未払いの場合に相手から何か代替の物をとれる担保があるような場合だけです。

振込先情報のテンプレート

書き方としては、一般には以下をインボイスの中に記載しておきます。通関インボイスとは別に請求インボイスを発行する場合は、そちらのほうだけに振込先に関する情報を記載するケースもあります。通関には無関係となる情報の為、使い分けてもよいでしょう。

日本国内の銀行が振込先の場合
項目 記載する内容
Bank detail: 振込情報(振込先銀行の詳細)。この項目を書いてから以下の銀行名等の情報を記載していきます
Bank name: 銀行名
Address: 銀行の住所
Account number: 口座番号
SWIFT Code: 銀行・支店識別用コード

上表は、入金を希望する銀行名と口座名のみを記載するパターンです。日本国内の銀行で代金を受け取りたい場合、ほぼこれで事足ります。

支払条件の下部に振込先情報を書く場合
項目 記載する内容
Payment terms: T/T in advance 支払条件:先払いの電信送金
Remark: 備考。この中に以下の1〜6を記載するパターン。
1. Name of bank 銀行名
2. Account of bank 銀行口座
3. Address of bank 銀行の住所
4. Company name 口座を持つ会社名
5. Address 会社の住所
6. Swift code 銀行・支店識別用コード

支払条件(この場合、電信送金の前払)の下に、銀行名や口座といった振り込みに必要な情報を記載しているケースです。普段から取引を継続しているような場合によく見られるパターンです。銀行の住所と、口座名義人の住所の双方を記載しています。

送金を中継する銀行を指定して振込先情報を書く場合
項目 記載する内容
Bank details: 振込情報(振込先銀行の詳細)
CURRENCY: USD 振込の際の通貨。この場合、米ドルを指定しています。
CORRESPONDENT BANK: コルレス銀行。送金を中継する銀行。
SWIFT CODE(BIC): 銀行識別コード、各銀行ごとに固有の番号を持ちます
CLEARING CODE: 3桁の銀行コード+数字 米国の場合ABA+9桁
ACCOUNT NUMBER: 口座番号
BENEFICIARY BANK: 受取人の取引銀行名
BRANCH NUMBER: 支店番号
SWIFT CODE: 銀行識別コード(受取人の取引銀行のもの)
BENEFICIARY NAME: 受取人(口座名義人)
ACCOUNT NUMBER: 受取人の銀行口座番号
IBAN CODE: IBAN(アイバン)は日本では採用されていませんが、IBAN採用国では未記載にすると送金・入金遅延となることがあります。

これは送金にあたって中継してもらう銀行を指定して振込を依頼するケースです。日本国内の銀行であれば、銀行同士で口座がなくても日本銀行を通じて送金が可能な仕組みになっていますが、海外の銀行の場合、このような仕組みがなく、またすべての銀行間で口座開設をするのは現実的に困難なため、送金を中継するコルレス銀行と契約して売買代金の授受を行います。

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