リン(元素記号 P)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

リンには10種類もの同素体があります。中でも赤リン、白リン、黒リンがよく知られています。リンの種類である黄リンは、同素体ではないとされます。

黄リンは発火点がわずか約30℃であり、大気中でも些細なことで容易に発火してしまう元素で、強い毒性もあります。マッチの材料として使われていたこともありますが、燃えやすいため現在はこの目的での使用が禁止されています。

この元素も、単体では自然界から採取できず、リン鉱石である燐灰石(リン酸カルシウム)をケイ砂やコークスともに加熱することで得られます。

窒素、リン酸、カリは植物の育成にとって欠かせない肥料の要素としても知られ、化学肥料の用途で多くのリン化合物が使われており、リンの使い道のおおよそ80%がこの用途とされます。

リン(元素記号 P)が活用されている分野

  • 化学肥料
  • 化合物として農薬や殺虫剤
  • DNAの構成成分
  • マッチ材料
  • 化合物としてコーンフレーク、ベーキングパウダー、飼料
  • 樹脂被覆処理を行った被覆リン
  • 耐摩耗性、極圧性を向上させるための添加剤
  • 化合物半導体(高純度のリンに限る)
リン(元素記号 P)の特性、物性
分類 非金属元素
電子配置 3s23p3
英語 Phosphorus
原子量 30.97
同位体 31P、32P
融点 (白リン)44.2℃
沸点 (白リン)280.5℃
密度 1.82g/cm3(白リン)
2.69g/cm3(黒リン)
2.34g/cm3(赤リン)
比重
硬度 モース硬度
色、形状 種類による。赤、白、紫、黄、黒など
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:
293K(20℃):
500K:
800K:
リン(元素記号 P)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃
300℃
100℃
0℃
−195℃
リン(元素記号 P)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃
300℃
100℃
0℃
-100℃

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