ニッケル(元素記号 Ni)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

ニッケルは遷移金属のレアメタルの一つで、錆びにくい性質を持つ金属です。大気中はもちろん、水は海水に対しても腐食しにくく安定しています。このため、特殊な環境や化学物質などへの耐腐食性が求められる局面で、ニッケル合金として使われます。また、そこまでいかずとも、ニッケルメッキとして金属表面を保護し、耐食性を付与することも可能です。

ただ、ニッケル合金をはじめ、鉄鋼材料でもニッケルクロム鋼(SNC)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)は価格が高いことでも知られます。どんなものにでも使う汎用性の高い鋼材というよりは、用途を絞りこんで使われることが多いといえます。

またステンレス鋼(SUS)のうち、クロム−ニッケル系ステンレスに該当するオーステナイト系ステンレスや二相系、析出硬化系には規定値が設けられ、概ね6〜28%程度(SUSの種類による)のニッケル成分が含有しています。またクロム系ステンレスにも微量ながら含むことがあります。

このほか、用途としてはニッケル水素電池やニッカド電池の電極にはニッケル化合物が使われています。

ニッケルの埋蔵量としてはオーストラリア、ロシア、キューバー、ブラジル、ニューカレドニア、カナダなどで多くあるとされます。

ニッケル(元素記号 Ni)が活用されている分野

  • ステンレス鋼の材料
  • ニクロム線
  • ニッカド電池
  • インコネルなどのニッケル合金各種
  • ニッケル水素電池(正極のオキシ酸化ニッケルとして、また負極にも水素吸蔵合金であるLaNi5として)
  • 形状記憶合金(チタンとニッケルの合金)
ニッケル(元素記号 Ni)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d84s2
英語 Nickel
原子量 58.69
同位体 58Ni、60Ni、62Ni、64Ni
融点 1455℃
沸点 2913℃
密度 8.91g/cm3
比重
硬度 モース硬度4
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:6.6
293K(20℃):13.4
500K:15.3
800K:16.8
ニッケル(元素記号 Ni)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 40
300℃ 22.5
100℃ 10.3
0℃ 6.2
−195℃ 0.55
ニッケル(元素記号 Ni)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 71
300℃ 67
100℃ 83
0℃ 94
-100℃ 113

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