ヨウ素(元素記号 I)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

ヨウ素はハロゲン元素の一つで、日本でも多く生産されている元素です。ヨードとも呼ばれ、いわゆる医薬用外劇物にも指定されています。融点、沸点ともに低いですが、常温常圧では光沢のある黒色の固体です。ただし気体は紫色をしています。

人の体内にある元素のうち、微量ですが必須とされる元素でもあり、海草などから摂取可能で、甲状腺と深い関わりがあります。この元素をまったく摂取しないと甲状腺異常が発生するとされます。

また、放射性同位体のヨウ素による放射能汚染が発生した場合に、安定ヨウ素剤を服用することで、甲状腺をヨウ素で飽和させておき、放射性物質である131Iが体内の甲状腺に蓄積されるのを防ぐという方法があります。

ヨウ素の生産量はチリ、日本、アメリカで行われています。日本では地下水(千葉県の水溶性の天然ガスの鉱床)から抽出されます。

ヨウ素(元素記号 I)が活用されている分野

  • ヨウ素デンプン反応
  • 消毒薬(ヨードチンキ、ヨウ素のアルコール溶液)
  • 防腐剤
  • ハロゲンランプ
  • 甲状腺ホルモンの合成のため、体内必須の微量元素
ヨウ素(元素記号 I)の特性、物性
分類 非金属元素
電子配置 4d105s25p5
英語 Iodine
原子量 126.9
同位体 127I、129I、131I
融点 113.7℃
沸点 184.3℃
密度 4.93g/cm3
比重
硬度 モース硬度
色、形状 黒色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:
293K(20℃):
500K:
800K:
ヨウ素(元素記号 I)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃
300℃
100℃
0℃
−195℃
ヨウ素(元素記号 I)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃
300℃
100℃
0℃
-100℃

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