クロム(元素記号 Cr)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

クロムは特殊鋼の一つであるステンレス鋼にとって欠かせない元素です。このクロムを凡そ11%以上含むことがステンレスの定義の一つともなっています。

ステンレスに限らず、他の金属でも少量の添加によって耐摩耗性の向上が可能で、量によっては耐食性や耐熱性を高めることが出来ます。クロムが添加されることで、金属の表面に薄い酸化膜が形勢され、錆にくくしていると考えられます。

クロムは単体のCrでは害はなく、同じく三価クロムも同様に人体に無害です。ただ、六価クロムは有害で、強い酸化作用を持ち、その化合物も非常に強い毒性を持ちます。このため、EU諸国はRoHS指令(RoHS規制)により、域内に輸入される電子・電気機器に対しては、他の規制物質とともにこの六価クロムが規定以上含有していないことを証明することを求めています。

クロム鉱石の埋蔵量が多い国は、南アフリカ、インド、カザフスタンとされます。

クロム(元素記号 Cr)が活用されている分野

  • クロムメッキ
  • ステンレス鋼
  • クロムモリブデン鋼
  • 合金の添加元素
  • 酸化剤
  • 顔料
クロム(元素記号 Cr)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d54s1
英語 Chromium
原子量 52.00
同位体 50Cr、52Cr、53Cr、54Cr
融点 1907℃
沸点 2671℃
密度 7.19g/cm3
比重
硬度 モース硬度8.5
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:2.3
293K(20℃):4.9
500K:8.8
800K:11.8
クロム(元素記号 Cr)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 47.2
300℃ 25.2
100℃ 16.1
0℃ 12.7
−195℃ 0.5
クロム(元素記号 Cr)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 66
300℃ 82
100℃ 92
0℃ 96.5
-100℃ 120

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