銀(元素記号 Ag)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

銀は古くから人類が活用してきた金属で、元素の上では遷移金属、貴金属に該当します。白く見えるため食器やアクセサリーなどの身近な用途のほか、工業的には銀は金属の中で最も高い電気伝導率と熱伝導率を持ちます。銀の比重は10.49であり、おおよそ金の半分の重量です。

また引き伸ばすことができる性質である「展延性」にも優れており、わずか1グラム程度の銀であっても2000メートル近くの線に加工することが可能です。ほか、光を反射する特性をもち、人の目にみえる可視光(380nm〜750nm程度)の反射率もすべての金属で最も高いため、ミラーや反射膜などによく使われます。

除菌や抗菌作用をもつため、銀イオンを用いた製品が様々な領域で使われています。もっともこの除菌、殺菌効果は有益な菌も有害な菌もともに滅してしまいます。原理としては、銀イオンが細菌などのもつ酵素と結合してしまうことで、その酵素の活用を止めてしまい、殺菌するというものです。酸化チタンと組み合わせた除菌作用を持つ製品も開発されています。

銀鉱石の埋蔵量は、チリ、ペルー、メキシコといった南米を中心に、ポーランド、中国、オーストラリア、ロシアなど世界の各地に散らばっています。日本にも石見銀山がありましたが、現在は枯渇しています。銀はこの銀鉱石だけでなく、亜鉛や金、銅などの副産物としても生産されており、実際にはこちらから取れるほうが多いとされます。

銀(元素記号 Ag)が活用されている分野

  • ジュエリー、宝飾品
  • 反射フィルム、ミラーなどへ銀の薄膜として
  • 銀食器
  • 抗菌剤
  • 感光剤、フィルムの材料
  • 貨幣
  • 電子部品
  • ケーブル、リレー
  • 顔料
  • 塩化銀、ヨウ化銀、臭化銀、フッ化銀などの原料として
銀(元素記号 Ag)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 4d105s1
英語 Silver
原子量 107.9
同位体 107Ag、109Ag
融点 961.78℃
沸点 2162℃
密度 10.49g/cm3
比重
硬度 モース硬度2.5
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:14.2
293K(20℃):18.9
500K:20.6
800K:23.7
銀(元素記号 Ag)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 6.1
300℃ 3.34
100℃ 2.08
0℃ 1.47
−195℃ 0.3
銀(元素記号 Ag)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 377
300℃ 407
100℃ 422
0℃ 428
-100℃ 432
銀(Ag)の融点、沸点、線膨張係数
原子量 107.880
比重 10.49
融点(℃) 960.5
沸点(℃) 2210
比熱(20℃)
(cal/g・℃)
0.056(0℃)
溶融潜熱
(cal/g)
25
線膨張係数
(20〜40℃)
19.7〜10-6
熱伝導率(20℃)
(cal/cm・s・℃)
1.0(℃)
固有抵抗
(μΩ・cm)
1.59(℃)
モース硬度 2.7
結晶構造 面心立方
縦弾性係数
E
(kg/mm2
8100
横弾性係数
G
(kg/mm2
2900
ポアソン比
(1/m)
0.38
圧縮率
(mm2/kg)
0.90x10-4
固体熱量
(cal/g)
38.6
融体熱量
(cal/g)
85.1
蒸発熱
(cal/g)
563
Q

(cal/g)
711.7

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