prcとはどこの国か|made in prcとchinaに違いは

2019年8月16日更新

made in prcの表記が流行ったことがあり、このprcとは中国のことを意味しています。英語での中国の正式表記は、People's Republic of Chinaとなり、この頭文字をとってPRC、あるいはPROCとなります。中国製であることを分かりにくくするとの意図や意見もありますが、prcとchinaには違いはまったくありません。

中国製についてまわる廉価だが粗悪なイメージを払拭する為、一部の業界で積極的にprc表記が使われたことも指摘されています。

prcを台湾と混同されることもありますが、台湾の英語表記はRepublic of Chinaとなり、日本語では中華民国と表記されます。台湾製の場合、Made in ROCと表記されることがあります。これはMade in Republic of Chinaの略ですが、Taiwanの名称のほうが広く知られている為、Made in Taiwan あるいは略してMITとかかれることもあります。台湾製品は逆に、中国製との差別化を意識した展開も多く、あえて台湾の名称を前面に出しているケースが散見されます。

ただ中国政府は台湾を自国の一部と主張しており、台湾側は反対の主張を持つ為、貿易の世界でも台湾製を中国製と表記することもあります。ただ、台湾製と表記することで日本に輸入できないということはありませんが、中国向けに流通させる物品の表示する場合、罰金等少々厄介なことに巻き込まれるリスクがあります。

また、貿易とは国家間の取り決めによるものであるため、台湾を主権国家やそれに類する地域と認めていない地域へ輸出する場合、税率に違いが出ることがあります。これは最恵国待遇によるMFN税率を適用できるかどうかという点です。

もうひとつは特恵貿易における税率を適用できるかどうかという点が税率の面では確認が必要です。特定の品目について、協定を結んだ国・地域同士のみで関税をなくしたり、低減したりする自由貿易協定や経済連携協定いわゆる特恵貿易の場合、中国と結んでいる協定を台湾には使用できません。逆もしかりで、台湾政府が他国と結んでいる貿易協定を、中国製のものについては使うことができませんので、注意を要します。

消費する視点でいえば気にするほどのものではありませんが、貿易実務上はこのように原産国が中国か、台湾かでどのような違いが出るかを確認して用いる必要があります。

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