ワンウェイとリターナブルの意味

2024年3月10日更新

ワンウェイとは容器等を再利用せずに使い捨て前提で出荷元から納入先へ送ることを意味し、リターナブルとはそうしたものが納入先へ送りっぱなしではなく、納入後には出荷元に返却されて再利用することを前提の仕組みを意味しています。

輸出入、国内輸送のいずれも荷量が一定数を超えてくるものや継続して繰り返し納入があるもの、それも一定の頻度であるものについては、容器や現品票(かんばん)、荷材、パレット、箱など、輸送に使うあらゆるものについて、ワンウェイのほうがよいかリターナブルがよいか一度は検討されたことがあるかもしれません。

これらは一方が常にもう片方に対して優れている、有利であるということはなく、使用する状況によってメリット、デメリットに違いが出てくるものです。主として、コストがどちらが安いか、取り回しはどちらが楽で、ミスが少ないのはどちらか、そもそもリターナブルの場合、実務で運用可能かといった点を中心に検討を行っていくことになります。

箱数がきわめて多い業界の場合、箱やその中に使う緩衝材や中材、仕切り等もワンウェイの使い捨てにすると、納入側でのゴミの量がかなりのものになり、廃棄コストもばかになりません。金属なら有価物で業者に売却もできますが、こうした荷材はうまくリサイクル業者につながる仕組みがなければ、開梱、仕分け、運搬、廃棄においてコストがかかり続けます。

一方でリターナブルについては、上記の廃棄にかかる業務がない分、メリットのほうが大きいように見えますが、急な生産停止で在庫が滞留するとたちまち箱が足りなくなったり、返却ルートを間違えられて出荷元にきちんと戻らず出荷に影響をきたしたり、汚れがついて製品の汚損につながったり、一定の投資が必要にもかかわらず紛失や破損でコストが余計にかかったり、返却にも輸送費やトラックの空きスペースが必要といった問題もあります。

対象物と、その取引における荷材にかけられるコストや輸送ルート、返却のリードタイム等を総合的に判断して個別にメリット、デメリットを検討していく必要がある内容です。

下表に代表的な品目におけるワンウェイ、リターナブルの特徴を例示します。

ワンウェイ、リターナブルの違い
品目 ワンウェイ リターナブル
かんばん 総枚数が物理的に設定されませんので、電子的にデータ上で総枚数をコントロールして在庫増減を調整する必要があります。都度、印刷して納入後に消すか、廃棄です。かんばんを返却する手間がなく時間もかかりません。 返却されることが前提になるので、総枚数を物理的に設定して、運用可能です。かんばんが返ってこなければ、出荷もありません。ただし、輸送中の誤送や紛失、脱落があった場合は納入に支障が出てきます。
パレット コストが安くすみますが、繰り返し使用前提にしていないので破損のリスクはあります。返ってくることを前提にしていないので、枚数管理が不要です。 高いですが、しっかりしていますので繰り返し使えます。出荷元への返却前提ではなく、受け取った側が自由に使うことを前提にしたものもあります。返却全体にする場合、売り買い双方が等量でない場合、何も載っていないパレットだけを返却する輸送費やトラックの手配が必要です。また枚数バランスが狂う場合、管理が個別に必要です。
大量になればなるほど廃棄工数の手間がかかります。またワンウェイということはほとんどが段ボールになりますが、その組み立てや梱包にはリターナブルな通い箱に比べると多くの工数がかかります。反面、低コストで大量に導入しやすいメリット、返却不要のメリットがあります。 大量に箱を使用する場合、捨てるよりも工数やコスト面で有利になることがあります。ただし、返却ルートや表示等の取り決めが必要です。また納入したものが使用されてから返却されるので、その輸送にいたるまでのリードタイムを加味して箱の総保有数を決める必要があります。汚損した場合の洗浄や仕分けコストがかかります。初期投資が必要です。
荷材・緩衝材 出荷側は安くすみますが、毎回費用はかかり、受け取る側はその廃棄(仕分け含む)にコストや工数がかかります。 初期投資がかかり、返却ルートや一品一葉のようなものにすると管理運用に工数がかかりますが、廃棄コストはかかりません。ただ劣化によって定期的な入れ替えは必要で、誰がどのように判断するか、どうやって入れ替えするかの検討はいります。
    

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