インドの段ボールはなぜ臭いのか

2020年10月18日更新

輸入貨物の開梱やデバンニングを実施している方にとってはよく知られていますが、海外の段ボールは臭いがきつく、ものによっては製品に「におい」がうつってしまうことすらあります。中でもインドの段ボールの臭いは別格で、コンテナの開梱を請け負うデポや倉庫業者が、「インドだけ箱の段ボール臭がとにかくひどいので改善できないか」と苦情を持ちかけるほど。

製品の価格には荷材費が含まれており、ダンボールもその一部ですが、インドの段ボールは異常に安いです。作業人員の人件費自体も中国の10分の1と言われるため、FOB価格で海外から製品を仕入れる際、この値差がかなり有利に働くことは事実です。

ただ、安かろう悪かろうで、国内で流通しているフルートが二重になったダブルウォールの段ボールのような強度に優れたものばかりではなく、形式が同じものにも関わらず、段ボール自体が荷崩れの原因になることもあります。これは段ボールが湿気を吸ってへたってしまい、重量を支えられなくなっているためといわれますが、その根本原因は、ダンボールの強度が弱いことです。ダンボールの紙自体に練りこんであるデンプン等の添加物や、接着剤もこの性能に影響しています。

ダンボールの原料はほぼ古紙が使われますが、この際、補強剤としてデンプンが使われます。コーンスターチ、小麦デンプン(オーストラリア)、タピオカデンプン(東南アジア)、化学的に処理された加工デンプン、ハイアミロースコーンスターチといったものになります。

また、この添加する用途以外にも紙の強度を上げるために表面にデンプン(スターチ)をスプレーで塗布する工夫がされることがあります。さらに、ダンボールはもともと単なる古紙ですが、中に波のようにうねった形状の中芯と、それを挟みこんでいる両サイドの紙をライナーを接着させることで強度をもつダンボールになります。このときの接着に使われるのもデンプンとなります。

実は「においのもと」と疑われるのはこのデンプンと言われています。通常の工程で使われるデンプンは防腐剤等も使用されており、適切な品質状態で使われていますが、いったんこれが腐ってしまうと、その腐ったデンプンをダンボールの古紙に練りこんだり、紙の表面に強度アップのためスプレーするといった工程が存在するため、独特の臭気を放つようになります。

デンプンが腐敗している、もしくは変質しているものをそのまま使っている場合のほか、そもそも品質の悪いデンプンを使用して使用後に劣化・腐敗してしまうといった、デンプン糊の品質管理のまずさや、品質の低さに起因する臭気とも言えます。

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