合議における決裁の順番

2023年7月15日更新

組織内で決裁を得る案件で、合議となっているような場合、その回付・回覧の順番をどうすべきかというのは悩ましい問題の一つです。大きな案件の場合は根回し等の事前調整によってあらかじめ決裁者に話が通っており、決裁する予定となっているような形式的な合議となっていることもあり、その場合は特に気にする必要はないかもしれません。

合議で決裁を得る順番については、ワークフローシステムや社内規程であらかじめ決まっている場合はそれに従えばよいだけですが、合議の場合、社内ルールがないこともあります。

特に決まりがなく稟議書の作成者が自ら部署名を記載する場合、1つの稟議書に対して各部の押印がいる場合、部署の順番を間違えると決裁を得にくくなるケースもあります。

合議の場合、係長→課長→部長→役員→社長のようなレポートライン上の稟議と異なり、同格(ではない場合もありますが)の複数部署の部門長の決裁をすべて得てはじめて案件の決裁がおりることになります。あるいは最終的な決裁者が一人いるとしても、複数部署の合議によってすべての部署で決裁を得てからでないと最終決裁者の判断を仰げないケースもあります。

同時回付

ワークフローシステムを採用しているような場合、同時に回付するのが最も効率的です。合議の決裁案件でも、ひとつのルートだけで回付すると、ある部署で止まってしまったり、検討に長時間使われるとなかなか進まなくなります。

紙でまわしているような場合、どこで止まっているのかいちいち問い合わせる必要も出てきます。また、他部門の決裁状況を伺いながらというような案件の場合、最初に決裁する部署がないとなかなか進まないこともあります。

決裁を得やすい部門から回付

多数の関係者の合議の場合で、決裁者にとって判断がいまいちつかないようなものもあります。多数決の論議ではないですが、各部での判断事項が明確に定まっていないような案件の場合、決裁がすでに複数部門から出ている状態でまわってくると、なかなか否決はし辛く、否決にあたっての理由が必要になります。

最終決裁にあたってキーとなる部門から回付

例えば、大型の投資案件であれば、投資した費用回収ができるかどうかを判断する部署が先に決裁していると、他の部門長が気にする部分を事前に払拭することもできます。

合議となっている場合でも、稟議の内容は全決裁者にとって同じ重みかといえばそうでもなく、よほどの案件ではない限り、直接的なかかわりの深さや判断に際して重要な役割を担う部署は限定されていることが多いです。そうした部署を先にまわって決裁を得ることで、他の部署でも、あの部署が決裁しているなら、というような安心感を与えることはできます。

関連性の強い部門から回付

案件に直接的に関わりのある部門から回付していく方法です。例えば、事業部門が稟議回付するもので、経理部門や監査部門、審査部門等に回付する場合、あらかじめ事業部門の案件に直接かかわっている各組織の長が決裁し、それからコーポレート部門に回付するという方法です。

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