埠頭とバースの違い

2015年3月17日更新

埠頭(ふ頭)は英語でWharf(もしくはDock)、バースは英語でBerthと表記します。両者は港湾関係者でなくとも、貿易に関わっていると耳にすることのある用語かと思います。

 埠頭とは、ドック、波止場とも呼ばれることからわかる通り、船が停泊するための一連の施設・場所を含めた用語で、船が停泊するための岸壁から、係留施設、荷物を積み下ろすガントリークレーン、貨物を荷捌き(にさばき)するための荷捌地、貨物保管場所をはじめとする各種施設等を含んだ「港」の一部分となります。旅客船も停泊する埠頭であれば、フェリーターミナルも擁します。コンテナ船専用に作られた埠頭は、コンテナ埠頭やコンテナターミナルと呼ばれ、コンテナの積卸しや仕分け・保管に適したコンテナヤード、ガントリークレーン等の設備・施設を擁します。

一方、バース(Berth)とは船舶が入港したあと、貨物の積卸のために陸地に接岸する必要がありますが、このときに着岸する場所(岸)のことを意味します。車でいえば駐車場であり、船の停泊場となります。

出港スケジュールの遅延原因として多くあげられる「バース混み」という形であれば、ほとんどの貿易関係者が聞いたことがあるのではないでしょうか。港でバースが空いていなければ、船は着岸できず、荷物の積込みや、積卸をすることはできませんので、船が多く入港すると、バースが空くまで港で順番待ちということになります。これが原因で、時間通りに入港できなかったり、出港できないことが海上輸送では多々あり、「バース混み」の名称でよく使われます。日本近郊地域であれば、マニラ港や香港がバース混みによる遅延がよく知られる港です。

バースの数は港により異なり、船が物理的に停泊するだけのスペースが必要になる為、数には限りがあります。例えば、横浜港であれば民間のバース数が166、公共(公社)のバース数が101、合計249バース保有しています。

また大型の船舶の着岸には、水深が必要になる為、同じ港でも船の種類や用途によって停泊可能なバースがさらに限られることもあります。定期船用のバースのことを、ライナーバースと呼称することもありますが、一般的には「バース」の用語があてられます。

まとめると、バースは埠頭を構成する一部分ということになります。

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