ビジネスでの足元ではの意味するところ

2022年4月10日更新

「足元では」という言い回しはもともと金融業界発祥と言われ、目前の状態や今現在の状態や状況、あるいは目下といった意味合いで使われる業界用語のようなものでした。足元のほか、足下、足許(どちらも、あしもと)といった書き方もありますが、足許が身近な立場を意味することを除いては違いは明白ではなく、業界用語としては足元という漢字があてられています。立っている足のあたりを意味する「あしもと」の場合、足下の漢字をあてることもあれば、足元という場合もあります。

現在はこれが他業界にも広がり、好んで使う人もいることからビジネスシーンでやたら目にするようになったという状況かと思います。やはり金融関係の言説は多くの評論家がいますし、ニュース等はじめメディアでも取り上げられる頻度が高く、そうした用語が使用されるコメントが多くのメディアにのることで、広まっていったと推察されます。もちろん、金融業界はどの業界とも接点がありますので、そうしたルートからも広まっていった可能性はあります。

そもそも足元というのは、自分の立っている足のあたりを意味しており、それが転じて目の前に見えている状態、目前の状態や立場、身近なところを意味する用語として定着した言い回しがありますが、直近や今現在の状況をすべて足元という用語に言い換えずともよい状況は多々あります。

日本語に限りませんが、身近な体の部位を表わす用語に置き換えることはよくあることで、この場合でも「目下」と言い換えてもよいわけですが、これを「足元」と言い換えるようになったのは業界用語所以のことと思います。

足元が使われる状況というのは、「先のことはわからないが、今の状況としてはこうですよ」ということを言いたいがための表現とも言えます。

こうしたことから経済情勢や株価や為替の動向等では非常に便利な言い回しとも言えますが、使用される業界やシーンによっては、「現在の状況としてはわかった。それでこの先どうするの?」という問いに対する答えとセットで考えておかねばならないこともあります。

この先どうするのかについては、分野によってはその場しのぎの単なる火消しですむこともあるかもしれませんが、恒久的な対策や再発防止という観点で見ると、足元という用語が多用されるのは、不変ではない未来に対する対処方法や種々の対策が立案できていないことに対する言い訳として使われてしまうこともあります。

ビジネス用語、業界用語として固有の言い回しがなされる用語が使われるときは、その意味することが何なのか自分の言葉で変換して理解するよう心掛けたいものです。ともすると「かっこいい」ビジネス用語に気圧され、相手の言わんとしていることの言外の意味を読み取れずに思わぬ損失を被ることも考えられます。相手の使う用語の雰囲気にのまれず、足元が仮にそうなのであれば、どのような未来を予測しそれぞれについてどのような対策や提案があるのか突っ込んでみるのも一つの方法です。

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