S38C(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧

2010年8月14日更新

中炭素鋼のうち、炭素含有比率が0.38%のものをいいます。低炭素鋼に比べるとそこそこ強度が出てくる鋼種です。一般的には焼入れを前提にして使います。熱処理次第では、用途に幅を持たせることが出来ます。

S38Cの化学成分(代表値)
材料記号 C Si Mn P S
S38C 0.35〜0.41 0.15〜0.35 0.60〜0.90 0.030以下 0.035以下
S38Cの熱処理温度(焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼戻し)
種類 変態温度
(℃)
熱処理温度
(℃)
Ac Ar 焼ならし 焼なまし 焼入れ 焼戻し
S38C 720〜790 760〜700 830〜880空冷 約820炉冷 830から880水冷 550〜650急冷
S38Cの機械的性質(降伏点、引張強さ、伸び、絞り、硬度)
種類 機械的性質
熱処理 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
硬度
HBW
S38C 焼きならし 325以上 540以上 22以上 - - 156〜217
焼きなまし - - - - - 131〜163
焼入れ・焼戻し 440以上 610以上 20以上 50以上 88以上 179〜255

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