SWCH50Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼

2013年4月7日更新

SWCH50Kは、冷間圧造用炭素鋼のひとつで、SWCH材の中ではもっとも炭素含有量の多い材料です。炭素量は焼入れによって硬度と引張強さの向上に大きく寄与しますが、反面、多すぎると衝撃強度や靱性などには難が出てきますので、バランスを考えた選択が重要です。機械構造用の炭素鋼ではs50c相当のものなので、まだ脆さが目立つほどの炭素量ではありませんが、0.6を超えるとデメリットが目立つようになるため、留意しておく必要があります。

SWCH50Kの成分、組成

なお、成分規定は材料となるSWRCH50Kのものになります。

SWRCH50Kの成分
鋼材の種類 C(炭素) Si(シリコン) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄) Al(アルミ)
SWRCH50K 0.47〜0.53 0.10〜0.35 0.60〜0.90 0.030以下 0.035以下

SWCH50Kの比重、密度

鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.53%で計算すると、7.860前後となります。

SWCH50Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り

冷間加工のみの場合

冷間のみの場合は事実上加工が困難なため規定無し。焼き鈍しをどこかに入れて応力除去、軟化させてから加工していきます。

焼きなまし後に冷間加工した場合

SWCH50Kの機械的性質
種類 引張強さ
N/mm2
絞り
(%)
【参考値】
硬さ(HRB)
SWCH50K 710以下 55以上 97以下

SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧

SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。

スポンサーリンク

>このページ「SWCH50Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集