SWCH10Kの硬度、成分、比重、引張強度、機械的性質について|冷間圧造用炭素鋼

2013年4月7日更新

SWCH10Kは、冷間圧造用炭素鋼のうち、キルド鋼の塊を圧延することで得られた鋼材の規格です。炭素量はキルド鋼のものとしては最も少なく、0.08から0.13の極軟鋼となっています。同じレベルの炭素量を持つリムド鋼由来の10Rやアルミキルド鋼由来の10Aよりも冷間加工のみの場合、機械的強度は強くなります。ねじやボルトの用途ほか、機械部品などにも使われます。

SWCH10Kの成分、組成

なお、成分規定は材料となるSWRCH10Kのものになります。

SWRCH10Kの成分
鋼材の種類 C(炭素) Si(シリコン) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄) Al(アルミ)
SWRCH10K 0.08〜0.13 0.10〜0.35 0.30〜0.60 0.030以下 0.035以下

SWCH10Kの比重、密度

鉄鋼材料の比重は7.8前後となりますが、より細かい数字の概算を出すには、炭素量から算出することもできます。比重=7.876−0.030×炭素(%)の式を適用した場合、上限の0.13%で計算すると、7.872前後となります。

SWCH10Kの機械的性質|引張強度、硬度、絞り

冷間加工のみの場合

SWCH10Kの機械的性質
種類 径(ミリ) 引張強さ
N/mm2
絞り
(%)
【参考値】
硬さ(HRB)
SWCH10K 3以下 590以上 - -
3を超え4以下のもの 490以上 45以上
4を超え5以下のもの 410以上 45以上
5を超えるもの 360以上 45以上 90以下

焼きなまし後に冷間加工した場合

SWCH10Kの機械的性質
種類 引張強さ
N/mm2
絞り
(%)
【参考値】
硬さ(HRB)
SWCH10K 340以上 55以上 83以下

SWCH材(冷間圧造用炭素鋼線)の材料記号の一覧

SWCH24KとSWCH27KからSWCH50Kまでは焼きなまし後の冷間加工についての規定のみとなります。その他の冷間圧造用炭素鋼については、冷間加工のみと、焼きなまし後冷間加工の2パターンについての機械的性質が規定されています。

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