SPV355の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材

2014年5月21日更新

SPV355は、圧力容器用の鋼材としてJIS規格に規定されている材料記号の一つです。SPV材ともいいます。圧力容器用だけあり、破壊強度をみるための様々な規定が盛り込まれている為、圧力容器以外にも使われることもあります。規定では、熱加工制御を行うこともできるグレードとなっており、この場合は、溶接性の向上や低温脆性の向上等が規定できます。

適用される鋼板・鋼材の厚さの範囲は6ミリ以上、150ミリ以下となります。組成から、低炭素のシリコンマンガン鋼とも呼べます。

溶接性と強度を見るための指標が豊富であることから、コスト次第で圧力容器以外にも使われます。

なお、SPVの記号内にある355という数字は、満たさねばならない降伏点(耐力)の下限値をMPaで示したものです。引張強度については、常温で520から640MPaとなり、破壊強度についてよく考えられた材料です。

SPV355の比重

比重については熱延鋼板と同様の7.85がベースとなりますが、構成成分によって厳密には変わってきます。

SPV355の成分、材質

SPV355の成分、材質
SPV材の種類 C Si Mn P S
SPV355 0.20以下 0.55以下 1.60以下 0.030以下 0.030以下

SPV355の機械的性質

SPV355の引張強さ、耐力、降伏点、曲げ性
SPV鋼材の種類 降伏点、耐力(N/mm2 引張強さ
(N/mm2
伸び 曲げ性
厚さ6ミリ以上50ミリ以下 50ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え200ミリ以下 厚さ(ミリ) 試験片 曲げ角度 内径半径 試験片
SPV355 355以上 335以上 315以上 520から640 16以下 1A号 14以上 180° 厚さの1.5倍 1号
16を超えるもの 1A号 18以上
40を超えるもの 4号 21以上

SPV355のシャルピー吸収エネルギー

低温にし、耐衝撃性を見るための指標となります。試験片はVノッチ、圧延方向のものになります。

SPV355の耐衝撃性|シャルピー吸収エネルギー
SPV鋼材の種類 試験温度(℃) シャルピー吸収エネルギー
3個の試験片の平均値 個々の試験片の値
SPV355 0℃ 47以上 27以上

SPV355の炭素当量|熱加工制御

炭素当量(Ceq)の計算式は下記が適用されます。

SPV355の炭素当量
(単位:%)
SPV鋼板の種類 厚さ
50ミリ以下 50ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え150ミリ以下
SPV355 0.40以下 0.42以下 0.44以下

SPV355の溶接割れ感受性組成|熱加工制御

溶接割れ感受性組成(Pcm)の計算式は下記が適用されます。

SPV355の溶接割れ感受性組成
(単位:%)
SPV鋼材の種類 厚さ
50ミリ以下 50ミリを超え75ミリ以下 75ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え150ミリ以下
SPV355 0.26以下 0.27以下 0.27以下 0.29以下

「JIS G 3115 圧力容器用鋼板」に規定のある材料記号

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