SPV235の成分、材質、比重、引張強さ、降伏点などのJIS規格|工業材料として見たSPV鋼材

2014年5月21日更新

SPV235は圧力容器用鋼板として規定されたJIS規格の材料記号の一つで、数字の235は常温での降伏点の最低値を示しています。基本的には圧延したままの状態のSPV鋼材となります。規定により、場合によっては焼きならしを行うこともできます。6種類あるSPV材のうち、このSPV235だけが厚さ100ミリを境界に、炭素量の基準が0.18以下と0.20以下に分かれます。また6種の中ではマンガン量が最も少ないグレードとなります。板厚範囲は6mm以上200mm以下となります。

このグレードについては炭素当量や溶接割れ感受性組成についての規定がありません。

SPV235の比重

比重については熱延鋼板と同様の7.85がベースとなりますが、構成成分によって厳密には変わってきます。

SPV235の成分、材質

SPV235の成分、材質
(厚さが100mm以下のもの)
SPV材の種類 C Si Mn P S
SPV235 0.18以下 0.35以下 1.40以下 0.030以下 0.030以下
SPV235の成分、材質
(厚さが100mmを超えるもの)
SPV材の種類 C Si Mn P S
SPV235 0.20以下 0.35以下 1.40以下 0.030以下 0.030以下

SPV235の機械的性質

SPV235の引張強さ、耐力、降伏点、曲げ性
SPV鋼材の種類 降伏点、耐力(N/mm2 引張強さ
(N/mm2
伸び 曲げ性
厚さ6ミリ以上50ミリ以下 50ミリを超え100ミリ以下 100ミリを超え200ミリ以下 厚さ(ミリ) 試験片 曲げ角度 内径半径 試験片
SPV235 235以上 215以上 195以上 400から510 16以下 1A号 17以上 180° 厚さ50ミリ以下の場合は厚さの1.0倍、厚さ50ミリを超える場合は厚さの1.5倍 1号
16を超えるもの 1A号 21以上
40を超えるもの 4号 24以上

SPV235のシャルピー吸収エネルギー

低温にし、耐衝撃性を見るための指標となります。試験片はVノッチ、圧延方向のものになります。

SPV235の耐衝撃性|シャルピー吸収エネルギー
SPV鋼材の種類 試験温度(℃) シャルピー吸収エネルギー
3個の試験片の平均値 個々の試験片の値
SPV235 0℃ 47以上 27以上

「JIS G 3115 圧力容器用鋼板」に規定のある材料記号

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