SPFH540の機械的性質、引張強さ、耐力、降伏点、板厚公差、成分、比重

2013年2月4日更新

SPFH540の鋼板は最低の引張強さが540N/mm2に設定された高張力鋼の一つです。自動車用としてよく使われますが、薄板で引張強さと強度が必要な用途では他分野でも採用されています。いわゆる紐付きの鋼材として流通することが多く、SS材のように市場に出回っているわけではないため、大量生産などで用いるのでなければ入手は難しい部類の鋼材といえます。

SPFH540の比重

鋼板の比重の基準は、7.85になります。

SPFH540の引張強さ、耐力、降伏点、伸び

SPFH540の機械的性質(引張強さ、降伏点、耐力、伸び)
鋼材の種類 引張強さ(N/mm2 降伏点、耐力(N/mm2 伸び(%)
厚さ(mm)
1.6以上2.0未満 2.0以上2.5未満 2.5以上3.25未満 3.25以上6.0以下
SPFH540 540以上 355以上 21以上 22以上 23以上 24以上

※引張試験片:5号試験片。圧延方向に直角。

SPFH540の成分

SPFH鋼材には成分に関する規定がありませんが、供給者と需要者の間で別途定めても良いことになっています。

SPFH540の曲げ性

SPFH540の曲げ性
鋼板の種類・記号 曲げ角度 内側半径 曲げ試験片
厚さ(mm)
1.6以上3.25未満 3.25以上6.0以下
SPFH540 180° 厚さの1.0倍 厚さの1.5倍 3号試験片。圧延方向に直角。

SPFH540の板厚

SPFH540の板厚の種類(1.6mm以上6.0mm以下)
板厚(単位:mm)
1.6
1.8
2.0
2.3
2.5
2.6※
2.8
2.9※
3.2
3.6
4.0
4.5
5.0
5.6
6.0

SPFH540の板厚公差

SPFHの板厚の許容差(許容公差)
板厚の範囲(mm) 鋼板の幅(mm)
1200未満 1200以上1500未満 1500以上1800未満 1800以上2160未満
1.60以上2.00未満 ±0.16 ±0.19 ±0.20(1600未満のとき) -
2.00以上2.50未満 ±0.18 ±0.22 ±0.23(1600未満のとき) -
2.50以上3.15未満 ±0.20 ±0.24 ±0.26(1600未満のとき) -
3.15以上4.00未満 ±0.23 ±0.26 ±0.28 ±0.30
4.00以上5.00未満 ±0.26 ±0.29 ±0.31 ±0.32
5.00以上6.00未満 ±0.29 ±0.31 ±0.32 ±0.34
6.00 ±0.32 ±0.33 ±0.34 ±0.38

SPFH540鋼板の平坦度

SPFH540の平坦度(最大値)
鋼板の記号 板厚の範囲(mm) 板の幅(mm)
1250未満 1250以上1600未満 1600以上2000未満 2000以上
SPFH540 1.60以上4.00未満 16 18 20 -
4.00以上6.00以下 14 16 18 22

「JIS G 3134 自動車加工性熱間圧延高張力鋼板及び鋼帯」に規定のある材料記号

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