SN490Bの材質、強度、降伏強度、引張強度|材質や機械的性質の規格

2013年10月7日更新

SN490Bは建築用鋼材のうち、引張強さの下限値が490MPaに設定されており、主要構造部材として高強度が求められるシーンで活躍する材料です。T字構造の継ぎ手などで鋼材の厚み方向の引張り強度が必要な場合には、C種であるSN490Cを用いることになりますが、溶接性や耐震性などの面でも主要構造部として使うことが想定されているため、これらに関わる部分については細かい規定が設定されています。熱処理を行ったあとの鋼材についての炭素当量や溶接割れ感受性についても規格値が設けられています。

SN490Bの成分、材質

SN490Bの成分、材質
鉄鋼材の種類 厚さ C Si Mn P S
SN490B 6mm以上50mm以下 0.18以下 0.55以下 1.65以下 0.030以下 0.015以下
50mmを超え100mm以下 0.20以下

SN490Bの機械的性質

SN490Bの降伏点、耐力、引張強さ、降伏比
SN材の種類 鋼材の厚さ
(mm)
降伏点、耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
降伏比
(%)
SN490B 6以上12未満 325以上 490以上610以下
12以上16未満 325以上445以下 80以下
16 325以上445以下 80以下
16を超え40以下 325以上445以下 80以下
40を超え100以下 295以上415以下 80以下

SN490Bの伸び

SN490Bの伸び
鋼材の種類 鋼材の厚さ
6以上16以下
1A号試験片
16を超え50以下
1A号試験片
40を超え100以下
4号試験片
SN490B 187以上 21以上 23以上

SN490Bの耐衝撃性、シャルピー吸収エネルギー

試験温度が0℃の場合で、シャルピー吸収エネルギー(J)は27以上と規定されています。試験片とその採取方向についてはVノッチ、圧延方向となります。

「JIS G 3136 建築構造用圧延鋼材」に規定のある材料記号

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